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OpenAI、マスク氏の提訴に反論 過去のメール公開で「完全支配を要求」と主張

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OpenAIはイーロン・マスク氏の提訴に対し、すべての請求を棄却するよう求めるとともに反論ブログを公開した。過去のメール記録によれば、マスク氏はかつてテスラへの統合や過半数株式を要求したほか、AGIを非オープン化することにも同意していたという。

OpenAI、マスク氏の提訴に反論 過去のメール公開で「完全支配を要求」と主張
画像:openai.com

かつての創業メンバーから「初心を捨てた」と訴えられたとき、当時の合意メールを公表して反論するほど強烈な反撃はありません。

OpenAI は 3 月 5 日、イーロン・マスク氏から起こされた訴訟に対し、過去のメール記録を交えた公式声明を公開しました。マスク氏は OpenAI とサム・アルトマン CEO を相手取り、人類全体の利益を掲げた設立時の非営利理念を破棄し、マイクロソフトへの利益供与を優先していると提訴していました。訴状では GPT-4 の独占や、噂される「Q*」が汎用人工知能(AGI)に達しているかを判断する能力が現取締役会にあるのかという点まで追及されています。

これに対し OpenAI は、事実関係を淡々と並べることでマスク氏の主張を真っ向から崩しにかかりました。

公開された当時のメール

資金調達を巡る生々しいやり取りが明らかになりました。2015 年末の設立時、アルトマンらは当初 1 億ドルの調達を予定していました。これに対しマスク氏は、絶望的に見えないよう 10 億ドルと発表すべきだとメールで主張し、不足分は自分が負担すると約束していました。

しかし実際には、非営利組織としての OpenAI にマスク氏が出資したのは 4500 万ドル足らずで、他の支援者が 9000 万ドル以上を提供していました。

2017 年初頭に AGI 開発には毎年数十億ドルの計算資源が必要だと判明すると、営利法人の設立議論が始まりました。マスク氏は株式の過半数と初期取締役会の支配権、CEO の座を要求。協議が難航すると資金提供を停止したため、リード・ホフマン氏が給与などの運営費を肩代わりする事態になりました。

さらにマスク氏は、テスラを資金源として OpenAI をテスラへ統合する案を提示しましたがチームは拒否。マスク氏は成功確率をゼロと言い残し、2018 年 2 月に去っていきました。

最大の論点である「オープンソース化の放棄」についても、チーフサイエンティストのイリヤ・サツケヴァー氏が当時送ったメールが明かされました。AI 完成に近づくにつれ公開度を下げるのは妥当であり、Open の意味は科学技術を公開することではなく全員が成果の恩恵を受けることだと説明したメールに対し、マスク氏は「Yup(その通り)」と同意していました。

なぜ重要か

今回の泥仕合は、最先端 AI 開発における理想と現実の乖離を白日の下に晒しました。OpenAI の対応は極めてスマートであり、相手自身の発言を証拠として突きつけることで、マスク氏の掲げる道徳的正当性をほぼ無力化することに成功したと見ています。

客観的に見て、この対立の本質は理念の違いというよりも、莫大な価値を持つ組織の主導権争いです。OpenAI がアルバニアの EU 加盟手続き短縮や医療同意書の平易化などの実績を並べて対抗している通り、ソースコードを公開しなくても社会に実利を届けているという主張は一定の説得力を持ちます。

一方で、この訴訟は AGI の定義や「誰がその達成を認定するのか」というガバナンスの難題を浮き彫りにしました。計算資源に何十億ドルも消えていく現代の AI 競争において、純粋な非営利モデルを貫くことはもはや不可能です。今後、マスク氏率いる xAI などの競合がこの法廷闘争をどう利用し、オープンとプロプライエタリの境界線をどう再定義していくのかが注視されます。

情報源 (1)

  1. [1]
    openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com

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