米連邦地裁、OpenAIの営利化差し止めを求めるマスク氏の訴えを却下
米カリフォルニア州の連邦地裁は火曜日、OpenAIの営利企業への移行差し止めを求めたイーロン・マスク氏の仮処分申請を却下した。立証要件を満たしていないとの判断によるもので、OpenAIの組織改編は継続可能となる一方、契約違反などを巡る本訴訟は引き続き進められる。

イーロン・マスクが仕掛けた、OpenAIの営利企業化を法的に差し止める試みは退けられました。
カリフォルニア州の連邦地裁を率いるイヴォンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ判事は、マスク側が求めていた仮処分申請を却下しました。決定文書によると、原告側はこうした異例の救済措置を正当化するための立証責任を果たせなかったと判断されました。
ロジャーズ判事は2月の審理でも、ビリオネア対ビリオネアの争いにおいて仮処分を出す可能性は低いと懐疑的な見方を示していました。
ただし、マスク側の訴訟そのものが終わったわけではありません。判事は公共の利益が関わっているとして、本案訴訟の審理を前倒しし、今年秋に迅速裁判を行うスケジュールを設定しました。
両者の対立は2024年3月、マスクが設立当初の非営利の趣旨に反したとしてOpenAIとサム・アルトマンを提訴したことから始まりました。その後、自身が立ち上げたxAIや元取締役のシヴォン・ジリスを原告に加え、連邦地裁に提訴し直しました。
訴状では、OpenAIとマイクロソフトが投資家に対し、xAIなど競合他社への出資を見送るよう求めたとする反トラスト法違反の疑いも追加されています。
これに対しOpenAI側は、2017年に営利組織への移行を最初に推進し、実際に組織を作ったのはマスク本人だったと反論しています。巨大な計算資源の資金調達には、2025年中に公益法人へ移行することが不可欠だと主張してきました。
先月には、マスク率いる投資家グループがOpenAIの非営利親会社に対し、974億ドルの買収提案を突きつけました。アルトマンはこの提案を一蹴し、競合の足を引っ張るための画策に過ぎないと非難しました。マスク側は、営利企業化を断念するなら提案を取り下げると裁判資料で応酬していました。
なぜ重要か
仮処分の却下により、OpenAIは当面の危機を脱し、2025年の資本政策や公益法人への組織再編を予定通り進められる猶予を得ました。次世代モデルの開発には数百億ドル規模の資金が必要であり、非営利組織のままでは限界を迎えていたためです。
マスク側の狙いは、仮処分を勝ち取ることだけでなく、訴訟と買収提案を連動させてOpenAIの動きを遅らせ、自身が率いるxAIに開発時間を稼がせることにあったと見られます。
しかし、OpenAIにとっても安心できる状況ではありません。秋に迅速裁判が設定されたことは、非営利資産の営利移管に関する法的妥当性が司法の場で厳しく問われることを意味します。もし秋の審理で違法性が認められれば、巨額の賠償や資本構造の再見直しを迫られるリスクが依然として残っています。
情報源 (3)
- reuters.com(新しいタブで開きます)原文reuters.com
- cnbc.com(新しいタブで開きます)報道cnbc.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com