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イーロン・マスク氏、OpenAIとサム・アルトマン氏への訴訟で敗訴 時効成立で全請求却下

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米連邦地裁の陪審団はイーロン・マスク氏がOpenAIとサム・アルトマンCEOを相手取って起こした訴訟で、時効が成立しているとして全請求を退ける評決を下しました。マスク氏は同社が非営利の理念を捨て営利企業へ舵を切ったと主張していましたが、協議開始から約2時間で棄却され、マスク氏側の敗訴が決まりました。

イーロン・マスク氏、OpenAIとサム・アルトマン氏への訴訟で敗訴 時効成立で全請求却下
画像:theverge.com

イーロン・マスクとサム・アルトマンがカリフォルニア州の連邦裁判所で泥沼の法廷闘争を繰り広げた末、陪審員団はわずか約2時間の審議で結論を出しました。結果は、出訴期限切れによるマスク側の全面敗訴です。

2024年にマスクが起こしたこの訴訟は、人類への貢献を掲げて設立された非営利団体OpenAIを、アルトマンらが利益追求型の営利企業へ不当に変質させたと主張するものでした。マスクはアルトマンとグレッグ・ブロックマンの解任、パブリック・ベネフィット・コーポレーション(公益法人)としての運営停止、そして最大1500億ドルの損害賠償を求めていました。

過去の投稿とメールで崩れたマスクの主張

約1か月に及んだ審理は、互いの恥部を晒し合う展開となりました。マスクの弁護団はアルトマンらが「慈善事業を盗んだ」と主張しましたが、証言台に立ったマスク本人は過去の自身の発信によって窮地に追い込まれました。

マスクはかつてOpenAIに1億ドルを拠出したと公言していましたが、実際の送金額は3800万ドルにとどまり、不足分は自身の名声や人脈で補ったと苦しい弁明を行いました。さらに、テスラは現在AGI(汎用人工知能)の開発を進めていないと法廷で宣誓証言したものの、そのわずか数週間前に自身がXへ投稿した「テスラはAGIを実現する企業の一つになる」という内容と真っ向から矛盾する事態も露呈しました。

一方、OpenAI側の弁護団は、マスク自身が2016年や2017年の時点で営利部門の設立やテスラによる買収、さらには自身が過半数の株式を握る形での営利化を模索していた証拠を提示しました。自分の思惑通りに支配できなかったから提訴したに過ぎないという反論が、説得力を持つ形となりました。

2時間の審議で出た結論

裁判にはマイクロソフトのサティア・ナデラCEOや元共同創業者のイリヤ・サツケヴァー、マスクとの間に子どもを持つ元取締役のシヴォン・ジリスらも出廷しました。しかし最終弁論の日、マスク本人はトランプ大統領の専用機に同乗して北京へ向かっており、法廷に姿を見せませんでした。

アドバイザリー(諮問)陪審員団は、約2時間という異例の速さで全員一致の評決を下し、提訴の時期が遅すぎたとして請求権の消滅を認定しました。主審判事のイヴォン・ゴンザレス・ロジャーズもこの判断を受け入れ、訴訟は幕を閉じました。

なぜ重要か

OpenAIにとっては、経営陣の解任や莫大な賠償金という最大の経営リスクが完全に消え去ったことを意味します。アルトマンはリーダーシップをより強固なものにし、完全な営利企業への再編や大規模な資金調達を邪魔されることなく進められる環境を手に入れました。

対するマスクにとっては、手痛い打撃となりました。「人類を守るために非営利の理念を守ろうとした」という正義の味方の構図は、自らも過去に営利化や支配権の掌握を狙っていた事実によって大きく傷つきました。法廷でのテスラに関する証言も、株主に対して説明を迫られる火種になりかねません。

私たちは、この裁判が浮き彫りにしたAI業界の権力闘争そのものに目を向けるべきだと考えています。法廷で飛び交ったのは「覚えていない」という無責任な証言や、内輪の醜い足の引っ張り合いばかりでした。世界を変える最先端技術を牽引しているリーダーたちが、実際にはエゴと主導権争いに終始しているという現実は、業界全体の倫理的な信頼性に小さくない影を落としています。

情報源 (2)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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