Amazon、生成AI版Alexaを10月提供へ:月額最大10ドルの有料版か
報道によると、Amazonは生成AIを搭載した新型Alexa(内部呼称「Remarkable Alexa」)を10月に提供予定です。献立作成や創作ストーリーの生成、自然な連続対話に対応し、月額最大10ドルのサブスク制になると報じられています。従来の無料版も継続提供されます。

家庭内のスマートスピーカーは、ここ数年すっかり高機能なタイマーや音楽プレイヤー止まりになっていました。少し込み入った質問をすると、決まり文句の検索結果を読み上げるか、「すみません、よくわかりません」と返されるのが日常茶飯事です。
この状況を覆すべく、Amazonがついに動きます。The Washington Postが入手した社内文書によると、生成AIを搭載した新しいAlexaが10月に提供開始される見通しです。当初報じられていた9月の予定からわずかに遅れ、2023年9月の初披露から1年以上を経ての登場となります。
開発名は「Remarkable Alexa」、月額最大10ドルの有料プランへ
社内で「Remarkable Alexa」または「Project Banyan」と呼ばれる新バージョンは、現行の無料版である「クラシックAlexa」に代わる上位の有料サービスとして位置づけられます。利用料は月額最大10ドル程度になる見込みです。
Amazonの経営陣は今月中に価格設定や加入プランの構成、正式な製品名を確定させるとみられています。同社はさらに、ChatGPT対抗のWeb向けツール「Project Metis」の開発を進めているほか、Anthropicへの40億ドルの出資と並行して数百億パラメータ規模の自社製大規模言語モデル「Olympus」も手掛けています。
家族に合わせた就寝前の物語やAIニュース要約
生成AI版Alexaの最大の強みは、定型文の返答から脱却し、その場で柔軟にコンテンツを作れる点にあります。
たとえば料理の際には、単にネットのレシピを読み上げるのではなく、今パントリーにある食材や食事制限に合わせてレシピを提案してくれます。子どもの寝かしつけなら、愛犬を主人公にしたオリジナルのお話をその場で即興生成することも可能です。
家族それぞれの声を認識して好みを把握するほか、より人間に近い自然な声で対話できるようになります。注目の新機能「Smart Briefing」では日々のニュースをAIが要約してくれますが、社内では大統領選を目前に政治ニュースの正確性を懸念する声も上がっているようです。
なぜ重要か
私たちは、この動きをChatGPT登場以来続いてきた音声アシスタントの停滞を破る重要な試みだと考えています。ChatGPTなどのAIチャットは優秀ですが、アプリ内に留まり家電操作やスマートホームの連動ができません。一方、Alexaはすでに世界中の家庭にハードウェアを配置している強みがあります。
しかし、ユーザー視点で見れば月額最大10ドルという価格設定は小さくないハードルです。これまでEchoを買い切りで使ってきた人々が、毎月サブスクリプション料金を払う価値を見出せるかは疑問が残ります。日々の生活や買い物が劇的に便利にならない限り、試す人は限られるかもしれません。
業界全体から見れば、赤字続きと報じられてきたAmazonのデバイス部門にとって、これは事業モデルの成否を分ける賭けです。AppleがSiriを刷新してChatGPT統合を進め、GoogleがGeminiへの移行を図るなか、Amazonは音声AIを収益化できるツールへと生まれ変わらせる必要があります。
情報源 (2)
- zdnet.com(新しいタブで開きます)原文zdnet.com
- the-decoder.com(新しいタブで開きます)報道the-decoder.com