Amazon、ブラウザを自律操作するAIエージェント「Nova Act」を発表
Amazonはブラウザを直接操作して予約やフォーム入力を自律実行するAIエージェント「Nova Act」と開発者用SDKを発表した。OpenAIやAnthropicに対抗する技術で、次期Alexa+の基盤にもなる。現在は研究プレビュー版として公開中。

現在のAIエージェントは、ブラウザを開いてフォームを入力させようとすると、依然としてぎこちなく、途中でフリーズしたり誤操作を起こしたりします。
Amazonは3月31日、Webブラウザを自律操作できる汎用AIエージェント「Nova Act」と、開発者向けの開発キット「Nova Act SDK」を発表しました。新設されたWebサイト(nova.amazon.com)にて、研究プレビューとして公開されています。
サラダの注文から始まる実用特化アプローチ
開発を主導したのは、昨年Amazonが招聘したサンフランシスコのAGIラボです。同拠点は、元OpenAIの研究者でAdeptを立ち上げたDavid Luan氏と、ロボットスタートアップCovariantを創業したPieter Abbeel氏が率いています。
Nova Actは、カレンダーの日程選択、フォーム送信、飲食店の予約や注文といった短く具体的な作業を確実にこなすよう設計されています。Luan氏によると、完全な自律性に依存するのではなく、開発者が人間による確認プロセスを柔軟に組み込める設計を重視したといいます。
性能面では、画面上のテキスト認識力を測定するScreenSpot Web Textテストにおいて、Nova Actは94%を記録しました。これはOpenAIのCUA(88%)やAnthropicのClaude 3.7 Sonnet(90%)を上回る結果です。ただし、WebVoyagerのような業界標準の総合ベンチマーク結果は公開されていません。
なぜ重要か
ブラウザを操作するエージェント技術はOpenAIやAnthropicが先行していますが、Amazonには競合が持たない決定的な強みがあります。それが世界中の家庭に普及しているAlexaの存在です。
Nova Actは、大幅な刷新が予定されている「Alexa+」の中核機能として組み込まれる予定です。これまで天気の確認やタイマー設定にとどまっていた音声アシスタントが、実際にWebを操作して用事を済ませるツールに進化すれば、エージェント技術が一般消費者に一気に普及する契機になります。
最初から完全自律を目指さず、短いタスクの確実性と人間の介入を前提にした開発方針は、現時点では非常に現実的だと評価できます。多くの競合モデルが、人間ではあり得ない初歩的なミスを連発して実用化の壁にぶつかっているためです。
一方で、公表されたベンチマークが限定的な点には注意が必要です。実際のWebサイトは動的な変化が多く、予期せぬポップアップや認証に直面した際、Nova Actがどこまで粘り強く対応できるかは、Alexa+の実稼働を見るまで判断できません。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
トピックを追うAmazon AlexaのAI刷新
- Amazonが「Alexa Plus」早期アクセス開始:Echo Show限定で一部機能は見送り
- Amazon、ブラウザを自律操作するAIエージェント「Nova Act」を発表この記事
- Amazon、今秋に新Alexaハードウェア発売へ CEOが予告
- Amazon、生成AI搭載の次世代「Alexa+」発表 自律操作に対応しPrime会員は無料
- Amazon、生成AIで刷新した「新Alexa」を2月26日に披露へ