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業界動向

全米レコード協会がSunoとUdioを提訴:AI学習は「フェアユース」か

公開 拡散指数 43

米レコード協会(RIAA)は月曜日、AI楽曲生成サービスのSunoとUdioを著作権侵害で提訴した。許諾なしに大量の音源を学習データとして取り込んだと主張し、1作品あたり最大15万ドルの損害賠償を求めている。AIの学習が「フェアユース(公正利用)」と認められるかどうかが最大の争点だ。

全米レコード協会がSunoとUdioを提訴:AI学習は「フェアユース」か
画像:theverge.com

テキストでプロンプトを入力するだけで、楽器の演奏からボーカルの息づかいまで再現された楽曲をわずか数十秒で吐き出す音楽生成AI。その代表格であるSunoとUdioが、ついに音楽業界の巨大な壁に直面しました。

全米レコード協会(RIAA)は米時間月曜日、大手レコード各社を代表し、SunoとUdioの2社を相手取って大規模な著作権侵害訴訟を起こしました。訴状では「想像を絶する規模の侵害」が行われたと主張されており、AIモデルの学習のために膨大な著作権保護楽曲が無断で取り込まれたと訴えています。

RIAAが求めている損害賠償額は、侵害作品1件あたり最大15万ドル。AIの学習に使われるデータ量を考えれば、総額は天文学的な数字に膨れ上がります。

急成長するスタートアップと訴状に並んだ証拠

訴えられた2社は、どちらも設立されて間もない新鋭です。

Sunoは昨年12月にケンブリッジを拠点とするチームによって立ち上げられ、すぐに米Microsoftと提携してCopilotに組み込まれました。

一方のUdioは今年登場したばかりですが、Andreessen Horowitzなどの有力VCだけでなく、will.i.amやCommonといった大物アーティストからも出資を受けています。コメディアンのKing WilloniusがUdioを使って作ったDrakeのディストラック「BBL Drizzy」がネットで爆発的に流行したことでも話題になりました。

RIAAの訴状には、両サービスが生成した楽曲の譜面比較など具体的な例が数多く記載されています。たとえばSunoで生成された曲の中には、冒頭で実在のジェイソン・デルーロ本人の節回しそのままに「Jason Derulo」と歌い出すものや、Green Dayの名曲「American Idiot」と酷似したフレーズを持つものがありました。

ただ、RIAAは生成された楽曲そのものが盗作だと訴えているわけではありません。これほどそっくりな曲が出力されること自体が、学習データに正規の音源が無断で使われた動かぬ証拠だと主張しているのです。

楽譜の比較はPR目的か、問われる「フェアユース」

SunoのCEOであるMikey Shulman氏は、同社の技術は既存のものを根本的に変える「革新的(transformative)」なものであり、プロンプトに実在のアーティスト名を入れることは禁止しているとコメントしています。UdioのDavid Ding CEOも以前、公開されている最高品質の音楽で学習していると述べていました。

しかし、知的財産を専門とする法律事務所Mayer Brownのパートナー弁護士Paul Fakler氏は、訴状に譜面比較を載せる手法はやや奇妙で、世論を意識したPR目的に見えると指摘します。レコード会社が持っているのは原盤権(録音物の権利)であり、楽曲そのものの著作権(出版権)ではないケースが多いためです。

裁判の行方を左右するのは、結局のところ「フェアユース(公正利用)」が認められるかどうかです。

RIAA側は、これらが商業目的の無断複製であり、既存のアーティストの市場を奪い、正規のサンプリング許諾ビジネスを破壊すると主張しています。

一方でFakler弁護士は、コンピュータが特徴量を抽出してモデルの重みとして抽象化するプロセスは、人間のミュージシャンが既存の音楽を聴いて作曲法を学ぶのと本質的に同じであり、フェアユースの主張には十分な勝算があるという見方を示しています。

なぜ重要か

ユーザーやクリエイターにとって、SunoやUdioは音楽制作の敷居を一気に引き下げた画期的なツールです。数行の指示で誰でも高品質な楽曲を作れる価値は計り知れませんが、今回の提訴によって、これらのツールで作った曲を商業利用することへの法的リスクが一気に高まりました。

音楽・テック業界全体にとっても、この訴訟は極めて重大な分水嶺になります。これまで画像や文章で争われてきたAIのデータ収集をめぐる戦いが、最も権利関係が複雑で権利者の結束が強い音楽の領域へ突入したことを意味します。もし学習データの収集がフェアユースとして認められない判決が出れば、あらゆる音声AI企業は巨額のライセンス料を支払うか、開発の中断を余儀なくされます。

私たちは、レコード会社側の出訴戦略は非常に巧妙だと考えています。生成物そのものの権利侵害を個別に突くのではなく、企業が最も隠したがる「学習データの取得経路」を突いたからです。今後裁判がディスカバリー(証拠開示手続き)に進んだ場合、学習元の実態が白日の下に晒され、スタートアップ側が苦しい立場に追い込まれる可能性は高いと見ています。

情報源 (1)

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    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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