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業界動向

大手レコード会社、Suno を追加告発:YouTube から楽曲を違法取得と主張

公開 拡散指数 43

米レコード協会(RIAA)は付の修正訴状で、AI 音楽生成の Suno が YouTube の暗号化を回避して無断で楽曲をダウンロードし、モデル学習に利用したと主張した。データ取得の違法性を突くことで Suno の「フェアユース」主張を崩す狙いだ。

大手レコード会社、Suno を追加告発:YouTube から楽曲を違法取得と主張
画像:theverge.com

生成 AI 音楽の寵児 Suno に対し、音楽業界の包囲網が急速に狭まっています。

全米レコード協会(RIAA)は 9 月 19 日付の修正訴状で、ユニバーサル、ソニー、ワーナーの米三大レーベルを代表し、Suno が YouTube から楽曲を違法にリッピングしてモデルの学習に利用していたと主張しました。

YouTube の暗号化を突破した「ストリームリッピング」

訴状によると、Suno は専用のプログラムコードを用いて、YouTube の「ローリングサイファー」と呼ばれる暗号化技術を意図的に回避。ストリーミング配信されている保護コンテンツをダウンロード可能なファイルに変換する「ストリームリッピング」を行っていたとされています。

RIAA は、この行為が YouTube の利用規約に反するだけでなく、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)第 1201 条が禁じる「技術的保護手段の回避(アクセスコントロール回避)」に抵触すると指摘しています。

DMCA 1201 条には特定の適用除外規定が存在しますが、現時点で AI モデルの学習を理由とした回避を認める例外規定はありません。

RIAA は今回、暗号化の回避行為 1 件につき 2,500 ドル、さらに著作権侵害を受けた作品 1 点につき最大 15 万ドルの法定損害賠償を求めています。

「フェアユース」主張の足元を崩す一手

Suno をはじめとする多くの AI 企業はこれまで、学習データとしての著作物利用は「フェアユース(公正利用)」に該当すると主張してきました。

しかし、音楽出版社の業界団体 ICMP の調査をもとに構成された今回の訴状は、その前提そのものを破壊しにかかっています。そもそも学習データの入手経路が暗号回避という違法行為によるものだった場合、法廷でフェアユースの正当性を主張することは極めて困難になります。

Anthropic が直面した海賊版書籍をめぐる巨額訴訟と同様、権利者側は「AI が生成した出力物の類似性」ではなく、「入力データの入手プロセスの違法性」を突く戦略に舵を切っています。

なぜ重要か

この裁判の行方は、Suno 一社の問題にとどまらず、生成 AI ツールを利用するクリエイターや業界全体に直結します。

現在 Suno を使って手軽に音楽を作っているユーザーにとって、将来的な権利関係のリスクは無視できなくなりました。仮に Suno が敗訴した場合、既存モデルの差し止めや再学習が命じられ、ツール上で作成した楽曲の商用利用に大きな制約がかかる恐れがあります。

業界全体にとって、今回の RIAA の攻め手は極めて巧妙です。AI の学習が著作権侵害にあたるかどうかという議論は決着まで何年もかかりますが、DMCA の技術的回避規制違反であれば、技術的な事実関係の立証だけで勝敗が決まりやすいためです。

学習データをウェブ上から無断で収集してきた生成 AI 企業に対し、プラットフォームの技術的ガードを破る行為はもはや見逃されないという明確なシグナルになりつつあります。

情報源 (1)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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