OpenAIがオラクルのクラウドを採用、ChatGPTの推論基盤を拡充へ
OpenAIとマイクロソフトはオラクルと提携し、OCI(Oracle Cloud Infrastructure)上でAzure AIプラットフォームを利用できるようにしたと発表した。急増するChatGPTの推論需要を賄うための措置で、最先端モデルの事前学習は引き続きマイクロソフトのスパコンで行われる。

マイクロソフトから巨額の支援を受けているOpenAIでも、AIを動かすための計算資源はまったく足りていません。
OpenAIとマイクロソフトは今週、ChatGPTの運用に必要な計算能力を補うため、Oracleとの提携を発表しました。この枠組みにより、OpenAIはOracle Cloud Infrastructure(OCI)上でMicrosoft Azure AIプラットフォームを利用できるようになります。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは、インフラ不足を以前から隠しておらず、独自のAIチップ開発に向けて数十億ドル規模の資金調達を協議してきた経緯もあります。同氏は今回の発表で、Oracleのチップ導入によってOpenAIが規模拡大を継続できると述べました。
マイクロソフトだけでは足りなくなったコンピュート
これまでOpenAIの計算資源は、すべてマイクロソフトに依存していました。マイクロソフトはOpenAIの営利子会社に130億ドルを出資して49パーセントの株式を取得し、技術の独占的な商用ライセンス権を握っています。
しかし、急増する需要に応え、ChatGPTのサービス停止を防ぐには、マイクロソフト単体で提供できるキャパシティを超えてしまっているのが実情です。
さらに少し複雑な背景として、Oracleはイーロン・マスク氏率いるOpenAIのライバル企業、xAIにもインフラを提供しています。
訓練はマイクロソフト、推論はOracleへ
マイクロソフトとOpenAIは、今回の提携が両社の関係悪化と受け取られないよう神経をとがらせています。OpenAIは水曜日に追補の声明を出し、マイクロソフトとの戦略的クラウド関係に変更はないと強調しました。
あわせて業務の切り分けも明確にしています。最先端モデルの事前学習(pre-training)は、今後もマイクロソフトと共同構築したスーパーコンピューター上でのみ行われます。
Oracleのインフラが使われるのは、主に推論(ユーザーがChatGPTに入力して回答を生成する日常的な処理)やその他の用途に限定される見込みです。
なぜ重要か
一般ユーザーや開発者にとっては、ChatGPTの混雑によるレスポンス低下やサーバーダウンが緩和されるかどうかが最大の関心事です。日常業務でChatGPTに依存している層にとって、インフラの安定化は直接的なメリットになります。
私たちは、マイクロソフトが競合であるOracleの関与を容認した点に、現在のAI業界が直面しているチップ不足の深刻さが表れていると考えています。独占的な関係を維持することよりも、目の前のサービス維持に必要なコンピュートを確保することが優先された格好です。
核心技術である基盤モデルの訓練は身内に抑え込み、コストと負荷がかかる推論処理を外部に逃がす構成は非常に現実的です。ただし、最先端AIの成長スピードが物理的なサーバーとチップの供給限界に常に縛られているという現実は、今後も業界全体の課題として残りそうです。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
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