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AIモデル

Microsoftが仏Mistral AIと提携、新旗艦「Mistral Large」をAzureで提供

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Microsoftは仏Mistral AIとの長期提携を発表し、最新の旗艦LLM「Mistral Large」をAzure AIで先行提供開始した。Azureのスパコン基盤で開発を支援し、MaaS形式で企業に提供する。OpenAI以外の有力な選択肢をAzureエコシステムに取り込んだ形だ。

Microsoftが仏Mistral AIと提携、新旗艦「Mistral Large」をAzureで提供
画像:azure.microsoft.com

これまでマイクロソフトの生成 AI 戦略といえば、OpenAI との二人三脚が真っ先に浮かぶ構図でした。しかしその盤石な体制に、新たな重要プレイヤーが加わりました。

マイクロソフトは 2024 年 2 月 26 日、フランスの有力 AI スタートアップである Mistral AI との複数年にわたる協業を発表しました。あわせて Mistral AI の最上位商用モデルとなる「Mistral Large」を、Azure AI 上で先行提供することを明らかにしました。

欧州の旗手にスーパーコンピューティング基盤を提供

Mistral AI は高性能なオープンウェイトモデルで注目を集めてきた企業です。2023 年 11 月のイベント「Microsoft Ignite」でも、小型モデルの Mistral 7B が Azure のモデルカタログに追加されていました。しかし今回の提携は、単なるモデル追加の枠を大きく超えています。

提携の柱は大きく 3 点あります。1 つ目はインフラ支援で、マイクロソフトは自社の Azure AI スーパーコンピューティング基盤を Mistral AI に提供し、次世代モデルの学習と推論を支えます。

2 つ目は市場展開です。Azure AI Studio などのモデルカタログを通じて、Mistral AI の商用モデルが「Models as a Service(MaaS)」として利用可能になります。Azure の既存顧客は、年間契約などのクラウド消費枠(MACC)を使って Mistral のモデルを購入できます。

3 つ目は共同研究開発です。欧州の公共機関をはじめとする特定顧客のニーズに合わせ、特化型モデルの共同開発を模索する方針です。

商用最高峰に挑む Mistral Large

今回発表された Mistral Large は、高度な推論と知識処理能力を持つ汎用言語モデルです。プログラミングや数学に強く、1 回のリクエストで数十通の文書をまとめて処理できる能力を備えています。英語に加え、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語に対応しています。

先行導入した欧州企業の評価も公表されています。シュナイダーエレクトリックは社内業務効率化のテストにおいて、既存の最先端モデルに匹敵する性能を示し、かつレイテンシはさらに優れていたとコメントしています。医療プラットフォームの Doctolib は医療用語の処理能力の高さを評価し、海運大手 CMA CGM は社内アシスタント「MAIA」に同モデルを組み込んで情報検索の高速化を進めています。

なぜ重要か

今回の動きは、マイクロソフトによる巧みなリスク分散と欧州対策だと私たちは考えています。OpenAI への巨額投資を続けながらも、特定の 1 社だけに過度に依存することはプラットフォームとしてリスクになります。欧州発のトッププレイヤーを Azure 陣営に引き込むことで、ベンダーロックインを警戒する顧客を安心させ、欧州で強まるデータ主権や独占への懸念を和らげる効果が見込めます。

ユーザーや開発者にとっても実利は大きいです。すでに Azure を契約している企業なら、新たな契約手続きを結ぶことなく、使い慣れたクラウド上で GPT-4 の対抗馬となる Mistral Large を試せます。特に欧州多言語の処理や、少しでもレイテンシを詰めたい業務システムでは有力な選択肢になりそうです。

一方で、オープンソースコミュニティの期待を背負ってきた Mistral AI が、最上位モデルを非公開の商用 API として提供し始めた点には複雑な見方もあります。閉じたモデルとして既存の巨大モデルと正面から競り合っていけるのか、今後の実運用での評価が注目されます。

情報源 (1)

  1. [1]
    azure.microsoft.com(新しいタブで開きます)原文azure.microsoft.com

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