OpenAIがJony Iveの「io」を65億ドルで買収:画面なしAI端末を開発へ
OpenAIは元AppleデザイナーのJony Iveが設立した新興企業ioを65億ドルで買収した。両者はラップトップやスマートフォンに並ぶ「第3のコアデバイス」として、画面を持たないポケットサイズのAI端末を2026年後半に投入し、1億台の出荷を目指す。

Googleが開発者会議「I/O」でAndroid XR搭載スマートグラスを大々的に披露した直後、OpenAIと伝説的デザイナーが予想外のカウンターを仕掛けました。
OpenAIは、元Appleの最高デザイン責任者であるジョニー・アイブ氏が設立したハードウェアスタートアップ「io」を65億ドルで買収したと発表しました。ウォール・ストリート・ジャーナルが入手した社内会議の音声によると、サム・アルトマンCEOとアイブ氏は、開発中の極秘デバイスについて従業員向けに概要を明かしました。
そのデバイスはスマートグラスでもスマートフォンでもなく、画面を一切持たないポケットサイズの文脈認識型デバイスです。
メガネを拒否し、画面のない「第3の核」を目指す
シリコンバレーの大手テック企業が軒並みスマートグラスやウェアラブルに傾倒するなか、アイブ氏とアルトマン氏はあえて異なる道を選びました。
アルトマン氏によると、この新製品はMacBookやiPhoneの隣に置く「第3のコアデバイス」と位置づけられています。デスクに置いたりポケットに入れたりして持ち歩き、ユーザーの日常生活や周囲の環境を常に把握する設計です。
著名アナリストのミンチー・クオ氏が明かした情報によると、プロトタイプのサイズは失敗に終わったHumaneのAI Pinよりわずかに大きい程度で、かつてのiPod Shuffleを思わせる洗練された小型デザインになっているといいます。
クオ氏によれば、カメラとマイクを搭載し、スマートフォンやPCと連携して処理能力や画面表示を補う仕組みです。量産開始は2027年を予定しており、地政学リスクを避けるためベトナムなど中国国外での組み立てが計画されています。
アイブ氏は、iPhoneが生み出してしまった画面中毒という副作用に向き合う姿勢を示し、これを「新しいデザイン運動」と表現しました。アルトマン氏も、OpenAI史上最大のプロジェクトであり、将来的に同社へ1兆ドルの価値をもたらす可能性があるとし、史上最速で1億台を出荷するという野心的な目標を掲げています。
なぜ重要か
私たちは、OpenAIが65億ドルを投じた背景には、プラットフォーム支配からの脱却という切実な狙いがあると見ています。
生成AIがいかに進化しても、iOSやAndroidのアプリにとどまる限り、OSの主導権を握るAppleやGoogleの制限を受け続けます。OpenAIが真のアンビエントAIを実現するには、自前のセンサーとマイクを備えた物理的なハードウェアがどうしても必要でした。
ただ、一般ユーザーが今すぐ熱狂すべきかといえば、冷静になる必要があります。2024年に登場したAI単体ハードウェアは、処理遅延や発熱、バッテリー問題で惨敗しました。アイブ氏のプロダクトデザインが優れていても、日常の疑問解決や作業処理でスマホ以上の利便性を証明できなければ、高価な文鎮になりかねません。
業界全体で見れば、MetaやGoogleが進めるスマートグラス路線に対する強力なアンチテーゼになります。カメラを常に顔にかける未来に抵抗がある層に対し、ポケットや机に忍ばせるアプローチが支持されるのか、2026年後半の登場に向けてハードウェア戦争の新たな軸ができました。
情報源 (4)
- @openai(新しいタブで開きます)原文x.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com
- appleinsider.com(新しいタブで開きます)報道appleinsider.com
トピックを追うOpenAIによるジョニー・アイブのハードウェア・スタートアップ買収
- OpenAI、画面不要の「環境コンピューティング」構想を発表
- OpenAIとジョナサン・アイブ氏、iPod shuffle風の首掛け型AIデバイスを開発中か
- OpenAIがJony Iveの「io」を65億ドルで買収:画面なしAI端末を開発へこの記事
- OpenAIが元Appleアイブ氏のハード新興「io Products」買収を協議か