イーロン・マスク氏主導の企業連合、OpenAIに約974億ドルの買収提案
イーロン・マスク氏率いる投資家グループがOpenAIに対し約974億ドルの買収提案を提出した。OpenAIを初期のオープンソースと安全性重視の路線に戻す狙いがあり、xAIも関与している。Sam Altman CEOはX上で提案を一蹴し、皮肉を返した。

イーロン・マスクとOpenAIの泥沼の戦いが、前代未聞の局面を迎えました。
マスク氏率いる投資家グループが、OpenAIに対して974億ドル規模の買収提案を提出しました。月曜日にマスク氏の弁護士であるマーク・トベロフ氏がウォール・ストリート・ジャーナルに対して事実を認めたもので、買収額は976億ドルとも報じられています。
974億ドルの敵対的買収提案
今回の提案は、OpenAI側から要請されたものではないアングルーの買収提案です。マスク氏は2015年にサム・アルトマン氏らとOpenAIを共同設立しましたが、その後対立し、2024年には同社が営利企業への転換を進めていることに対して差し止めを求める訴訟を起こしていました。
今回の買収にはマスク氏自身のAI企業であるxAIも関与しており、買収が成立すれば両社が統合される可能性も取り沙汰されています。
マスク氏はトベロフ弁護士を通じて、OpenAIをかつてのようなオープンソースで安全性を重視した善の力に戻す時が来たとコメントしました。さらにTechCrunchへの声明では、自社のGrokモデルをオープンソース化した実績を挙げ、xAIこそが本来の理念を守っていると強調しています。
アルトマンは「Twitterを10分の1で買う」と皮肉
この巨額提案に対し、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏はSNS上で真っ向から切り捨てました。
アルトマン氏は月曜朝、マスク氏が所有するXに投稿し、「結構ですが、もしよろしければ当社がTwitterを97億4000万ドルで買い取りましょうか」と返答しました。
マスク氏が2022年にTwitterを440億ドルで買収したのは有名な話です。アルトマン氏は提案された金額の10分の1の数字を使い、価値が下落したとされるマスク氏の買収劇を痛烈に皮肉ってみせました。
なぜ重要か
この提案が実際に受け入れられ、OpenAIがマスク氏の手に渡る可能性は極めて低いと私たちは考えます。
マスク氏の狙いは、純粋な買収というよりも、営利企業化を進めるアルトマン体制への法的手続きと世論への揺さぶりでしょう。約974億ドルという具体的な評価額を提示することで、OpenAIの理事会に対し、非営利組織としての資産価値や受託者責任を法廷で追及するための武器を手に入れた形です。
自社のxAIを絡めて「オープンソースへの回帰」という大義名分を掲げた点は非常に狡猾で、開発者コミュニティの関心を引きつける効果があります。一方で、AIの安全性やガバナンスという本来極めて重い課題が、創業者の意地の張り合いや巨額の金銭を巡るエンターテインメントに堕している側面も否めません。
対話型AIの最前線を走る企業のガバナンス構造がいかに不安定であるかを、今回の騒動は改めて浮き彫りにしています。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com