本文へスキップ
IFAI

AIツール

マイクロソフトが企業向けBingチャットと月額30ドルのCopilot価格を発表

公開 拡散指数 42

Microsoftは法人向けAI「Bing Chat Enterprise」のプレビュー版を発表し、「Microsoft 365 Copilot」の価格を1ユーザーあたり月額30ドルに設定しました。チャット履歴が保存されずモデル学習にも使われないデータ保護が特徴で、Bingチャットの画像検索機能も順次提供されます。

画像:blogs.microsoft.com

多くのビジネスパーソンが業務の効率化を求めてAIツールを使い始める一方で、企業の情報システム部門は社内データの流出に頭を抱えてきました。

マイクロソフトは年次イベント「Microsoft Inspire」において、この課題に対する明確な回答を提示しました。法人向けデータ保護を備えた「Bing Chat Enterprise」のプレビュー版を発表したほか、注目されていた「Microsoft 365 Copilot」の法人向け利用料金を月額30ドルに設定したことを公表しました。

チャット履歴を残さない法人向け機能

同社の調査によると、働く人の7割が「できる限り多くの業務をAIに任せたい」と考えています。しかし、一般向けのAIツールをそのまま業務に流用すると、機密情報がモデルの学習に使われるリスクを排除できません。

そこで提供されるのがBing Chat Enterpriseです。最大の特長は、企業データの厳格な保護です。ユーザーが入力したプロンプトや出力データは外部に漏洩せず、チャットデータは保存されません。マイクロソフト側も閲覧できず、基礎モデルの再学習にも一切使用されない仕組みです。

この機能は、Microsoft 365のE3、E5、Business Standard、Business Premiumの各プランを利用している企業であれば、追加費用なしでプレビュー版を利用できます。すでに1億6000万人以上が利用可能な状態にあります。将来的には、月額5ドルの単体ライセンスとしても提供される予定です。

あわせて、一般向けのBing ChatにはOpenAIのGPT-4を活用した画像認識機能「Visual Search in Chat」が追加されました。写真をアップロードして関連情報を検索できる機能で、こちらも順次法人向けチャットに展開される見込みです。

1人あたり月額30ドルの本格AIアシスタント

Bing Chat Enterpriseが社外情報の安全な検索を担うのに対し、Microsoft 365 Copilotは社内データを直接扱う上位の仕組みです。

提供開始時の価格は、対象プランの契約者を対象に1ユーザーあたり月額30ドルと発表されました。多くの法人プランにおいて、既存の基本料金に匹敵するか、それ以上の追加投資となります。

それでも同社が強気なのは、Copilotが「Microsoft Graph」を通じて社内データにアクセスできるからです。メール、カレンダー、チャット、ドキュメントを横断的に理解し、欠席した会議の議事録作成や、先週のプロジェクト進捗の整理、社内データに基づいた分析資料の作成などを指示文ひとつで実行します。

同社は5月にKPMGやLumenなど世界600社を対象とした有料早期アクセスプログラムを開始しており、実際の現場で業務時間を削減できる手応えを得たとしています。

なぜ重要か

私たちは、月額30ドルという価格設定が、法人向け生成AIの市場相場を決定づける重要な基準線になると考えています。AIを単なるオフィスの補助機能ではなく、独立した高付加価値ソフトウェアとして位置づけた格好です。

導入を検討する企業にとっては、費用対効果のシビアな見極めが求められます。資料作成や会議の要約で月に数時間の無駄が省ければ十分に元が取れますが、全社一括導入するとIT支出が一気に跳ね上がります。当面は企画職やマネージャー層など、特定部門から段階的に試す企業が多くなるはずです。

業界全体から見ると、マイクロソフトの囲い込み戦略の巧みさが際立ちます。日常的なWeb検索には無料のBing Chat Enterpriseを提供して他社ツールへの情報流出を防ぎつつ、自社のOfficeエコシステムに深く結びついたCopilotで高い単価を獲得する二段構えです。対抗するGoogle Workspaceをはじめとする競合各社も、早急な価格戦略の策定を迫られることになります。

情報源 (1)

  1. [1]
    blogs.microsoft.com(新しいタブで開きます)原文blogs.microsoft.com

トピックを追うMicrosoftによるOfficeアプリへのAI統合

このトピックのニュース。新しい順です。

  1. マイクロソフトが企業向けBingチャットと月額30ドルのCopilot価格を発表この記事
  2. 米Microsoft、無料版Teamsに画像生成AIツール「Designer」を統合
  3. Teams PremiumにAI要約機能が登場:議事録やタスクを自動生成
  4. Microsoftが新Teamsを発表:動作速度が2倍に向上、Copilot連携の基盤にも
  5. Microsoftが「Loop」のパブリックプレビューを開始、Copilotも統合

毎日のAIピックアップ