マイクロソフト、Copilot Chatを発表:無料チャットに従量課金制エージェントを追加
Microsoft は法人向けに「Microsoft 365 Copilot Chat」を発表した。GPT-4o 搭載の無料チャット環境をベースに、チャット画面から直接使える従量課金制のエージェント機能を追加。全社規模での AI エージェント導入のハードルを大きく下げる狙いがある。

全社員に高額な AI ライセンスを一律で配るべきか。多くの企業がこの費用対効果の壁に頭を抱えてきました。
日本時間 1 月 15 日、マイクロソフトはこの課題に対する新たな答えとして「Microsoft 365 Copilot Chat」を発表しました。既存の商用顧客向けに、GPT-4o ベースのチャットを無料で提供しつつ、従量課金制のエージェントを組み込めるようにします。
チャットは無料、エージェントは従量課金に
Copilot Chat は、全従業員が手軽に業務で AI を使い始めるためのセキュアな基盤です。Web 検索に対応した GPT-4o がベースとなっており、市場調査や資料作成、画像生成をこなせます。
チャット内へのファイル添付にも対応しており、Word 文書の要約、Excel のデータ分析、PowerPoint の改善提案などを指示できます。リアルタイムで共同編集できる Copilot Pages も利用可能です。
注目すべきはエージェント機能の仕様です。自然言語を使ってチャット上で業務自動化エージェントを直接作成できます。カスタマー担当が CRM から顧客情報を引き出したり、保守員が SharePoint の手順書を参照したりといった動作を想定しています。
これらのエージェントは利用実績に応じた従量課金で提供され、企業データ保護(EDP)などの IT 統制機能も標準で備わっています。
無料版とフル版ですみ分けを図るマイクロソフト
この無料提供は、最上位版の Microsoft 365 Copilot を置き換えるものではありません。
Copilot Chat が Web 知識と個別ファイルを主戦場とするのに対し、有償の Microsoft 365 Copilot は社内のメールや会議録、チャット履歴などの業務データ全体を横断的に把握します。
さらに Teams や Word など日常の Office アプリに深く組み込まれる機能や、組織全体の利用状況を測定するアナリティクスは引き続き上位版の特権です。
まずは無料チャットで全社に AI を定着させ、本格的な自動化や組織横断の連携に進む段階で収益化する狙いが見て取れます。
なぜ重要か
マイクロソフトのアプローチは非常に合理的だと考えられます。全社導入のコストを理由にサードパーティの生成 AI へ流出していた現場を、無料かつ安全な公式環境で一気に囲い込めるからです。
ユーザー側にとっては、予算承認を待つことなく現場の業務効率化を今日から試せるのが大きな魅力です。エージェントが必要になった分だけ支払えばよいため、導入リスクを大幅に抑えられます。
一方で、従量課金ならではの不安も残ります。社内でエージェントの利用が急増した場合、毎月のコスト予測が難しくなる点は IT 部門の頭痛の種になりそうです。
それでも、高価な月額固定制だけでなく従量制の選択肢を提示したことで、企業向け AI の普及ペースは一段と加速するはずです。
情報源 (1)
- microsoft.com(新しいタブで開きます)原文microsoft.com