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マイクロソフト「Copilot Studio」利用組織が10万件突破:1800種類のモデルに対応

公開 拡散指数 31

米マイクロソフトは、Copilot Studio で AI エージェントを構築・編集する組織が10万件を超えたと発表した。Ignite に合わせて Azure 上の1800種の大規模言語モデルへの接続を開放し、OpenAI 依存から脱却。人間の介入を抑えて動く自律型エージェントも拡充している。

マイクロソフト「Copilot Studio」利用組織が10万件突破:1800種類のモデルに対応
画像:venturebeat.com

フロンティアAI各社がベンチマークのスコア争いに明け暮れるなか、マイクロソフトは企業の現場で静かに、圧倒的な地歩を固めつつあります。

開催中の開発者イベント Ignite において、同社は Copilot Studio を使ってAIエージェントを作成または編集した組織が、提供開始からすでに10万社を超えたと発表しました。AIエージェント戦略を率いる幹部の Charles Lamanna 氏が VentureBeat に明かしたところによると、直近のわずか1四半期で利用実績は2倍に急伸しており、これまでの先端技術の普及ペースをはるかに上回っているといいます。

OpenAI一本槍からの脱却と、1400超のシステム接続

多くの人はAIの導入といえばチャット画面を思い浮かべますが、マイクロソフトの狙いはまったく別の場所にあります。

まず大きな変更点として、Copilot Studio で利用できる基盤モデルが OpenAI 製に限定されなくなりました。Azure のモデルカタログに並ぶ1,800種類以上のLLMから、業務の要件やコストに合わせて自由に選択してエージェントに組み込めるようになります。

さらに、営業、カスタマーサービス、財務、サプライチェーンといった中核業務向けに、あらかじめ用意された10種類の自律型エージェントも発表されました。これらは人間が都度プロンプトを入力しなくても、ビジネス上のイベントを自発的に検知し、自律的にワークフローを回します。

何より強力なのは、SAP、ServiceNow、SQLデータベースなど、1,400以上の企業内システムやデータソースと最初から繋がっている点です。企業向けAIの実用性は、既存の社内データに安全にアクセスし、承認や更新といった実アクションを起こせるかどうかで決まります。

実際の成果も出始めています。マッキンゼーは案件立ち上げの社内手続きを20日からわずか2日に短縮しました。英国のペット用品大手 Pets at Home は、わずか2週間足らずで不正防止エージェントを立ち上げ、年間数百万ドル規模の損失を防いでいます。チューリッヒ保険やトムソン・ロイターなどもすでに実導入を進めています。

孤立したボットから「エージェント・メッシュ」へ

現場のボトムアップな使い方も広がっています。IT部門が作る基幹システム向けだけでなく、一般社員が自分の作成した資料やスライドを読み込ませたエージェントを作り、同僚からの質問に自動で回答させるケースが急増しています。

Lamanna 氏は、将来的な構想として「エージェント・メッシュ」という概念を掲げています。個々のエージェントが孤立して動くのではなく、営業エージェントが受注をトリガーに在庫管理エージェントへタスクを引き渡すように、複数のエージェントが企業全体で協調動作する仕組みです。

なぜ重要か

今回の動きで最も賢いのは、マイクロソフトがモデルそのものの競争から一歩引き、企業向けワークフローの「配管」を押さえにかかった点にあると私たちは考えます。

企業の開発者や情報システム部門にとって、Copilot Studio を今試す価値は十分にあります。自前でエンタープライズ水準のセキュリティやアクセス権限、SAPとの連携パイプラインをゼロから組むコストを考えれば、プラットフォームに乗っかるメリットが極めて大きいからです。

業界全体から見れば、1,800ものモデル開放は OpenAI への依存を薄め、モデルそのものを「コモディティ(日用品)」に変えてしまう力を持っています。どのモデルが勝とうと、それらが動く業務環境が Azure とマイクロソフトの管理下にある限り、同社の優位は揺らぎません。

一方で課題もあります。人間が細かく監視しない自律型エージェントが社内ネットワーク上で連携し合うようになると、指示の行き違いや権限設定のミスによって想定外のデータ書き換えが起きるリスクは否定できません。自動化の恩恵を受ける前に、社内のデータガバナンスが追いついているかを厳しく見極める必要があります。

情報源 (1)

  1. [1]
    venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com

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