Microsoftが新Teamsを発表:動作速度が2倍に向上、Copilot連携の基盤にも
Microsoftは完全に再構築したTeamsのプレビュー版を公開した。従来のElectronを廃止してWebView2とReactを採用し、起動速度を2倍、メモリ消費量を50%削減した。AI動画フィルターを追加したほか、Copilotの基盤としても設計されている。現在はWindowsの法人向けプレビューのみ利用可能。

仕事で日常的にMicrosoft Teamsを使っている人なら、メモリの大量消費や動作の重さに悩まされた経験があるはずです。ビデオ会議を始めた途端にPCのファンが唸りを上げる光景は、もはや見慣れたものでした。
マイクロソフトは3月27日、ゼロから設計し直した新しいTeamsデスクトップアプリのプレビュー版を公開しました。Teams担当エンジニアリングCVPのスミ・シン氏によると、新版は動作速度が2倍に向上した一方で、消費リソースは50%削減されています。
具体的には、インストール速度が3倍、アプリ起動と会議への参加が2倍高速化しました。さらにメモリ使用量は50%、ディスク占有量は70%削減されています。
Electronを捨て、WebView2へ完全移行
これほどの軽量化を実現できた背景には、長年抱えていた技術的負債の清算があります。
従来のTeamsはElectronを基盤とし、AngularJSとReactという2つのJavaScriptフレームワークを同時に読み込む重い構成になっていました。
新版ではElectronを完全に廃止し、Microsoft EdgeのWebView2エンジンと純粋なReactライブラリの組み合わせへ移行しました。OS側のEdgeとリソースを共有することで、メモリとディスクの消費量を劇的に抑えています。
データ層、ネットワーク層、バックグラウンド処理、さらにはビデオのレンダリングパイプラインに至るまで、全レイヤーが刷新されました。
実用的なUI改善とAIへの布石
外観面ではWindows 11のFluentデザインやMica素材が取り入れられ、背景色はグレーから白へ変更、特有の紫色も控えめになりました。ダークモードの自動切り替えにも対応しています。
機能面でも実用的なアップデートが目立ちます。複数の組織テナントに所属している場合、ログアウトせずに単一のドロップダウンメニューからすべてのアカウントと通知を一覧・切り替えできるようになりました。
会議で発言を終えた後に手を自動で下げる機能や、WhiteboardへのLoopコンポーネント貼り付け、AIビデオフィルターなども順次追加されます。
また、この新アーキテクチャは今後本格展開されるCopilotなどAI機能の基盤としても位置づけられています。高速な反復実験を支えるには、従来の重い構造では限界があったためです。
ただし、現行のプレビュー版はWindowsの商用ユーザー向けに限定されています。サードパーティ製アプリ連携、ブレイクアウトルーム、コールキューなどの高度機能はまだ利用できず、Mac版の提供も後日となる予定です。
なぜ重要か
毎日Teamsに拘束されるビジネスパーソンにとって、メモリ半減と動作速度の倍増は直接的な業務ストレスの軽減につながります。ただし、サードパーティ連携やブレイクアウトルームが未対応なため、業務フローを完全に切り替えるのは時期尚早であり、まずはトグルスイッチで個別に試用する段階と考えるのが賢明です。
業界全体で見れば、Slackをはじめとする競合に対し、長年批判されてきた「重いElectron製デスクトップアプリ」からの脱却モデルを提示した意味は小さくありません。
派手なAI機能をアピールする前に、最も泥臭いクライアントの軽量化を徹底的にやり遂げた点は非常に理にかなっています。動作が重いアプリにいくら高度なCopilotを載せても現場の反発を招くだけだからです。土台を固めたことで、今後のAI機能の競争力も一段と高まりそうです。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
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