Meta、著名人を模したAIアバターのチャットボットを終了へ
Metaは昨年9月に華々しく発表した有名人アバターのAIチャットボットを停止した。巨額のライセンス料を投じたものの定着せず、今週米国で提供を開始したクリエイター自身がAIを作成できる「AI Studio」に注力する方針に転換する。

Metaが、著名人の外見や特徴を取り入れたAIチャットボットを静かに終了させました。米The Informationが報じ、米The Vergeなどが同社に確認を取りました。
この機能は、同社が2023年9月に開催したイベント「Connect」で大々的に発表した目玉機能の一つでした。パリス・ヒルトン氏扮する探偵「Amber」や、元NBA選手ドウェイン・ウェイド氏扮するトライアスリート「Victor」、人気クリエイターのチャーリー・ダミリオ氏扮するダンス愛好家「Coco」などと会話できるというものでした。
報道によると、Metaはこれら著名人の肖像権や権利使用料として、一部の相手に数百万円規模ではなく数百万ドル単位の巨額な報酬を支払っていたとされています。
ハンドメイドから一般開放へシフト
Metaの広報担当者はThe Vergeに対し、著名人AIキャラクターとの対話機能はすでに利用できなくなったと認めました。
当初は冒険家のベア・グリルス氏やスノーボード選手クロエ・キム氏などのAIも追加される予定でしたが、実装されないままプロジェクトそのものが幕を引く形となりました。
同社は現在、方針を大きく転換しています。注力先として打ち出されたのは、米国で提供が始まった「AI Studio」です。これはMetaが個別にお金を払ってAIを仕立てるのではなく、クリエイター自身が自分自身のAIチャットボットを作れるようにするツールです。
なぜ重要か
私たちが考えるに、今回のMetaの判断は非常に合理的であり、早期の損切りとして評価できます。有名人の顔と名前を借りながら、あえて架空のキャラクターを演じさせるという設定は、ユーザーにとって利用動機が曖昧でした。本人の本音を聞けるわけでもなく、実用的な作業をこなしてくれるわけでもない中途半端さがあったと言えます。
クリエイターにとっては、自前のAI Studioが開放されたことのほうがはるかに実用的です。DMの自動対応やファンコミュニティの維持に自分のAI分身を活用できるようになります。ただし、AIが誤った発言をした際のリスク管理をクリエイター自身が背負わなければならない点は懸念材料です。
業界全体にとっても示唆に富む動きです。生成AIブームの初期に見られた「巨額の版権料を払ってIPを囲い込む」という手法が、持続的なエンゲージメントに結びつかないことが明らかになりました。今後はプラットフォーマー主導のタレントAIではなく、ボトムアップ型のクリエイターエコノミーが主流になっていくと考えられます。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com