Meta、ハリウッド俳優の声獲得へ数百万ドル提示か:AI音声機能向けに交渉中
報道によると、Metaはジュディ・デンチやオークワフィナら米人気俳優に対し、AIアシスタント向け音声のライセンス契約として数百万ドル規模の提示を行っている。9月のConnectでの発表を目指し、Ray-BanスマートグラスやSNS全体への搭載が計画されているという。

スマートグラス越しに話しかけると、映画『007』シリーズの「M」役で知られるジュディ・デンチの声が観光案内をしてくれる。あるいは、オークワフィナ特有のハスキーな声が受信メッセージを読み上げてくれる。
Metaがまさにそんな未来を実現しようとしています。BloombergとNew York Timesによると、Metaは著名なハリウッド俳優らの音声をAIアシスタントに採用するため、数百万ドル規模の契約交渉を進めています。
交渉相手にはジュディ・デンチのほか、オークワフィナ、コメディアンのキーガン=マイケル・キーらが名を連ねている模様です。
数百万ドルを投じて狙う9月の発表
関係者によると、Metaは彼らの声を収録し、会話型AIアシスタント「Meta AI」に組み込む計画です。提供先はFacebook、Instagram、Messenger、WhatsApp、そして好調が続くRay-Ban Metaスマートグラスと、Metaの主要プラットフォーム全体に及びます。
同社は9月に開催予定の「Meta Connect」カンファレンスで新機能を披露するため、交渉の早期妥結を急いでいます。
ただし交渉は一筋縄ではいかず、利用範囲を巡って何度も中断と再開を繰り返してきました。現時点では、利用期間を限定し、契約満了時に俳優側が更新を選択できる一時的なライセンス形態で合意に近づいていると報じられています。
また、米俳優組合SAG-AFTRAはMetaと条件面で合意に達した模様です。昨年のストライキで勝ち取った「AI利用時の明確な同意と適正な報酬」というルールに則り、Metaは正規の対価を支払って権利を確保する構えです。
過去の失敗とOpenAI騒動の教訓
Metaが有名人をAIに担ぎ出すのはこれが初めてではありません。
同社は昨年のConnectで、スヌープ・ドッグやケンダル・ジェンナーらを模した28体のAIチャットボットを発表しました。しかしThe Informationの報道によると、Metaは最近この機能をひっそりと終了させ、アカウントも削除しています。
単なるテキストのキャラクターAIはすぐに飽きられてしまいましたが、生成音声となると話は別です。OpenAIが「GPT-4o」で披露した表現力豊かな音声技術は、AIの対話感を劇的に変えました。
なぜ重要か
私たちは、この施策の最大のターゲットはRay-Ban Metaスマートグラスだと考えています。画面のないウェアラブル端末において、耳元から流れる声の魅力は体験の質を直結して左右します。聞き慣れた名優の声で自然な対話ができるなら、ハードウェアの魅力を一段階引き上げる強力な武器になり得ます。
業界全体にとっても、OpenAIがスカーレット・ヨハンソンの声に酷似した音声で大炎上した直後だけに、Metaの動きは対照的です。SAG-AFTRAの協定に基づき、数百万ドルを投じて正当な契約を結ぶ姿勢は、生成AIにおける音声ライセンスの明確な前例となります。
とはいえ懸念もあります。昨年の有名人チャットボットが短命に終わったように、有名人のブランド力だけで実用性の低さを覆すことはできません。声のインパクトが一巡した後、Meta AI自体が日常的に役立つ相棒として定着できるかどうかが問われることになります。
情報源 (3)
- bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com
- engadget.com(新しいタブで開きます)報道engadget.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com
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