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MetaのAI研究トップが苦言、従来のオープンソース規約はLLMに合わない

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MetaのAI研究部門を率いるジョエル・ピノー氏は、既存のオープンソースライセンスではAIモデルが抱える著作権や安全性のリスクに対応できないと指摘した。Llama 2の規約制限には「真のオープンソースではない」との批判もあるが、OSIも現行規格の限界を認め、AI向けの新たな定義策定を進めている。

MetaのAI研究トップが苦言、従来のオープンソース規約はLLMに合わない
画像:theverge.com

Metaが7月に公開した大規模言語モデル「Llama 2」は、ライバル大手がモデルを非公開にする中で「オープンソース」として広く称賛されました。しかし、オープンソースの原点を重んじる開発者コミュニティからは、ずっと厳しい視線が注がれていました。

10月30日にThe Vergeが掲載したインタビューで、MetaのAI研究部門FAIRを率いるジョエル・ピノー副社長がこの批判に反論しました。従来のソフトウェアライセンスは現代の生成AIに対応できておらず、ルール自体をアップデートすべきだという主張です。

「真のオープン」をめぐる対立

オープンソース推進団体であるOSI(Open Source Initiative)の定義では、オープンソースであるためには自由な再配布や改変が認められ、特定の製品や利用者を差別してはならないと定められています。

しかしLlama 2の利用規約には、明確な制限が組み込まれています。日間アクティブユーザー数が7億人を超える巨大プラットフォームが商用利用する場合はMetaの個別許諾が必要となる点や、Llama 2の出力結果を使って他の競合モデルを訓練することを禁じる条項です。

オランダのラドバウド大学の研究者はIEEE Spectrum誌でMetaの表現を「誤解を招く」と批判しました。これに対しピノー氏は、情報共有のメリットとMetaの事業コストとのバランスを取るために必要な制限だと説明します。

過去のライセンスではAIを保護できない

Metaには、2016年に無制限で公開しコミュニティと共に育て上げた深層学習フレームワーク「PyTorch」の成功体験があります。それでも生成AIで同様の完全開放に踏み切れない理由は、リスクの質が異なるためです。

ピノー氏が指摘するのは、訓練データに起因する著作権侵害の責任問題です。数十年前に作られた旧来のオープンソースライセンスには、膨大な外部データを学習したモデルが他者の権利を侵害した場合の免責や保護規定が十分に備わっていません。

OSIのステファノ・マッフリ事務局長もThe Vergeに対し、既存のライセンスがAIの現実に追いついていないことを認め、現在「AI向けオープンソース定義」の策定作業を進めていると明かしました。

なぜ重要か

私たちは、今回の議論が「オープン」という言葉の再定義を迫る重大な分岐点になると考えています。

現場のエンジニアや中小企業にとって、日アクティブユーザー7億人の制限に引っかかることはまずありません。そのため、OpenAIやGoogleのような完全非公開のモデルに依存せず、無料でカスタマイズ可能なLlama 2を使えるメリットは今なお絶大です。実務レベルで敬遠する理由はほとんどないと言えます。

しかしAI業界全体にとっては、巨大テック企業が自らの都合に合わせて「オープン」の基準を歪めかねないという警戒感が残ります。OpenAIがかつてのオープン姿勢を捨てて完全なクローズド路線へ舵を切った一方で、Metaはオープンを掲げつつ自社の防壁を規約に忍ばせる手法を取りました。

Metaの立ち回りはビジネスとしては極めて合理的ですが、コミュニティの信頼を損なう危うさを孕んでいます。もし各社が自社ルールの「疑似オープン」を乱発すれば、自由な技術共有という理念そのものが形骸化してしまう懸念があります。

情報源 (1)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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