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OSIが「オープンソースAI」の公式定義を公開:MetaのLlamaは対象外に

公開 拡散指数 49

Open Source Initiative(OSI)が「オープンソースAI定義(OSAID)」1.0を公開した。学習コード全体の提供やデータの出所開示、無制限の改変・利用を義務付けており、大規模商用利用に制限を設けるMetaのLlamaなどは基準を満たさなくなる。

OSIが「オープンソースAI」の公式定義を公開:MetaのLlamaは対象外に
画像:techcrunch.com

これまでテック企業が都合よく使ってきた「オープンソースAI」という言葉に、ついに公式な境界線が引かれました。

長年オープンソースの定義と管理を担ってきたオープンソース・イニシアティブ(OSI)は10月28日、「オープンソースAIの定義(OSAID)」バージョン1.0を公開しました。学界や産業界と約2年間にわたり議論を重ねて策定した、AIが本当にオープンソースであるかを判定するための国際基準です。

この基準を満たすには、第三者が同等レベルのシステムを実質的に再現できるだけの情報開示が求められます。具体的には、学習コード、データのフィルタリングコード、実行コード、そしてモデルの重み(パラメータ)を完全に利用可能にしなければなりません。

最大の争点だった学習データ自体については、全データの公開までは必須とされませんでした。その代わり、データの出所、加工手順、取得方法などの詳細情報を十分に開示することが義務付けられています。もちろん、商用利用を含め、誰の許可も得ずに自由に変更や派生開発ができる権利の保証が前提です。

基準を満たさないメガテックの看板

この厳格な物差しを当てると、現在「オープン」を名乗る主要モデルの多くが脱落します。

筆頭はMetaのLlamaです。Metaは月間アクティブユーザー数が7億人を超える大規模プラットフォームに対して特別ライセンスの申請を義務付けており、用途にも制限を設けています。OSIのエグゼクティブ・ディレクターであるステファノ・マフーリ氏は、Llamaは新定義に合致しないと明言しました。

同氏によると、マイクロソフトやGoogleは協議を経て完全にはオープンでないモデルへの呼称使用を控えることに同意したものの、Metaは反発を続けています。Meta側は、急速に進化するAIの複雑さに従来の枠組みは合わず、安全性確保のための制限だと主張しています。

一方で、オープンソースコミュニティ内部からは「基準が緩すぎる」との批判も上がっています。生データを完全に公開させない妥協案では、長年築いてきた理念が損なわれるという指摘や、企業の商用利用における著作権リスクを解消できないという懸念の声も出ています。

なぜ重要か

私たちは、法的拘束力のないOSIであっても、この定義を打ち出した意義は極めて大きいと考えます。

エンジニアやスタートアップにとって、これは巨人の「オープンウォッシング(見せかけのオープン化)」を見破る盾になります。これまでオープンだと信じて採用したモデルが、事業拡大に伴い突然ライセンス違反の危機に直面するリスクを防ぎ、真に制約のない技術資産を選び取る判断材料になります。

業界全体で見れば、欧州のAI規制法をはじめとする政策動向に直結します。規制当局がオープンソースに対してコンプライアンスの優遇措置を検討する中、OSIの基準が採用されれば、データを秘匿して自社エコシステムを囲い込みながら規制逃れを狙う手法は通用しなくなります。

学習データの完全開示を見送った点は、泥沼化する著作権訴訟を考慮した苦渋の現実路線に見えます。完璧な決着ではないものの、巨大企業が自前の辞書で勝手に「オープン」を再定義する乱立状態に歯止めをかけたという点で、極めて賢明な一歩だったと評価できます。

情報源 (2)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
  2. [2]
    lwn.net(新しいタブで開きます)報道lwn.net

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