GoogleがGemini 1.5更新版を公開、Proは最大64%値下げ
Googleは製品版モデル「Gemini-1.5-Pro-002」と「Flash-002」を公開した。数学ベンチマークが約20%向上し、無駄な拒絶も減少。さらに10月1日より1.5 Proの入力トークンが64%、出力が52%値下げされ、APIレート制限も緩和される。高性能モデルをより安価に扱えるようになる。

長大なドキュメントや動画を扱いたい開発者にとって、APIコストの高さとモデルの「冗長すぎる回答」は長年の悩みでした。Googleはその両方に手を打ってきました。
Googleは本番環境向けモデルの最新版「Gemini-1.5-Pro-002」と「Gemini-1.5-Flash-002」をリリースしました。あわせて軽量モデルの実験版「Gemini-1.5-Flash-8B-Exp-0924」も公開され、Google AI StudioおよびGemini APIで提供が始まっています。大規模組織向けにはVertex AIでも利用可能です。
性能向上と大幅値下げ、出力も簡潔に
今回のアップデートでは、難関ベンチマークのMMLU-Proで両モデルともに約7%のスコア向上が見られました。さらに数学ベンチマークのMATHおよび社内テストのHiddenMathでは約20%という大幅な性能向上を記録しています。画像認識やPythonコード生成も2%から7%改善しました。
実用面での大きな変更点が、開発者のフィードバックを受けた回答スタイルの簡素化です。要約や質問応答、データ抽出タスクにおいて、デフォルトの出力長が従来より5%から20%短縮されました。これにより応答速度が向上し、生成トークンにかかるコストも抑えられます。
コスト面では大規模な値下げが行われます。2024年10月1日より、128Kトークン未満のプロンプトにおいて、Gemini 1.5 Proの入力トークン価格が64%、出力トークンが52%、コンテキストキャッシュ増分トークンが64%引き下げられます。有料枠のレートリミットも拡大され、1.5 Flashは毎分2,000リクエスト(RPM)、1.5 Proは1,000 RPMへ引き上げられました。また、不必要な拒絶応答を減らすと同時に、セーフティフィルタのデフォルト適用を廃止し、開発者が用途に合わせて自由に設定できるよう仕様が変更されています。
なぜ重要か
Gemini 1.5 Proが誇る最大200万トークンのコンテキストウィンドウは強力ですが、1,000ページのPDFや長尺動画を日常的に処理するにはコストとレート制限が障壁になっていました。今回の64%値下げとレート制限の大幅緩和により、長文脈を活用した本番運用の現実味が格段に増しています。これまでコスト面で見送っていた開発者なら、今すぐ試す価値があります。
業界全体から見れば、Googleが自社インフラの優位性を活かしてOpenAIなど競合への価格圧力を一段と強めた格好です。モデルの優劣を競う段階から、実運用におけるトークン単価とスループットの競争へとシフトしていることが明確になりました。
特に評価できるのは、回答を短くして開発者のトークン消費を抑え、セーフティフィルタをデフォルトオフにして現場に裁量を委ねた点です。過剰な安全制御や不要なおしゃべりを排除し、開発者が使いやすいツールへ着実に進化しています。
情報源 (1)
- developers.googleblog.com(新しいタブで開きます)原文developers.googleblog.com