Google、Gemini 2.5 Proプレビュー版を更新 コーディングとWeb開発性能が大幅向上
GoogleはGemini 2.5 Pro Previewの更新版を発表した。WebDev Arenaで首位を獲得し、フロントエンドUI開発やコードリファクタリング、動画からのアプリ生成能力が強化された。既存のAPIは自動で最新版に切り替わり、利用料金も据え置かれる。

Google は年次イベント Google I/O を待たずに、コード生成能力を大幅に高めた新モデルを前倒しで公開しました。
Google は「Gemini 2.5 Pro Preview (I/O edition)」の提供を開始しました。UI 設計やフロントエンド開発、コード変換、エージェント型ワークフローの構築性能を重点的に強化したアップデートです。
既存の Gemini 2.5 Pro ユーザーは追加の移行作業をすることなく、従来の 03-25 バージョンから最新の 05-06 バージョンへ自動的に切り替わり、利用料金も据え置かれます。
WebDev Arena で首位獲得、デザインの微調整まで自律実装
これまで AI にウェブ制作を頼むと、機能は動いても見た目が野暮ったいという課題が常にありました。
今回の更新により、Gemini 2.5 Pro は機能性と美観を人間がブラインド比較するベンチマーク「WebDev Arena」で首位に立ちました。前バージョンからスコアを 147 Elo ポイント引き上げています。
Google が公開した音声入力デモアプリでは、音波アニメーションやレスポンシブ配置、ボタンのホバー演出に至るまで、モデルが自律的にデザインしてコードを生成しました。動画理解ベンチマーク VideoMME でも 84.8% を記録しており、YouTube 動画を読み込ませるだけでインタラクティブな学習用ウェブアプリへ変換する機能も示されています。
Google AI Studio や Vertex AI の API 提供に加え、Gemini アプリ内の Canvas 機能でも利用可能で、自然言語プロンプトから直接動的なウェブページを構築できます。
Cursor や Replit も採用、シニア級のリファクタリング力
開発現場の実務ツールからも早速評価が集まっています。
新モデルは現在 Cursor のコードエージェントに統合されているほか、Cognition や Replit との連携も進んでいます。Cognition の Silas Alberti 氏は、初級開発者向け評価テストにおいて、リクエストルーティングのバックエンド大規模リファクタリングをクリアした初のモデルだとコメントしました。適切な設計判断と抽象化ができる、経験豊富なエンジニアのようだと評しています。
Replit のプレジデントである Michele Catasta 氏も、能力とレイテンシのバランスが最も優れたフロンティアモデルだと評価し、低遅延が求められる Replit Agent のタスクへの展開を示唆しました。開発者からの要望が多かったファンクションコーリングのエラー削減やトリガー精度の向上も反映されています。
なぜ重要か
開発者向けコーディングモデルの標準をめぐる競争で、Google が Anthropic に対抗する姿勢を明確にしました。
実務でコードを書くユーザーにとって、今すぐ試す価値は十分にあります。特にプロトタイプ制作において、CSS の余白や微細なアニメーションの調整に費やしていた時間を大幅に省ける点は大きな魅力です。動画理解とコード生成を組み合わせた新しいアプリ作成フローも、個人開発者に新たな選択肢を提供します。
業界視点では、Cursor、Cognition、Replit といった先端の開発ツール提供企業を一斉に巻き込んだ点が巧みです。コーディング支援の領域では Claude 3.5 Sonnet が事実上の業界標準として定着していましたが、価格据え置きと低遅延を強みに、その牙城を切り崩しにかかっています。
ただし、ウェブアプリの見た目や単体テストでの評価が高くても、長大な既存レガシーコードに耐えうるかは別問題です。過度な期待は禁物であり、本番環境の複雑な依存関係の中でどれだけ正確に判断できるかは、今後の現場検証を見極める必要があります。
情報源 (2)
- developers.googleblog.com(新しいタブで開きます)原文developers.googleblog.com
- blog.google(新しいタブで開きます)報道blog.google