Google「Gemini 1.5 Flash」を最大78%値下げ、ファインチューニングも一般提供
GoogleはGemini 1.5 Flashの大幅値下げを発表した。8月12日より128Kトークン以下の入力が78%減の100万トークンあたり0.075ドル、出力が71%減となる。さらにテキスト微調整機能を全開発者に開放し、図表を含むPDFの直接解析にも対応した。

大規模言語モデルの価格競争において、Google がさらに攻勢を強めています。
先週 Gemini 1.5 Pro の実験版が LMSYS のリーダーボードで首位を獲得したばかりですが、Google は開発者に最も使われている軽量モデル Gemini 1.5 Flash の大幅値下げを発表しました。
入力価格を78%引き下げ、微調整も一般開放
8 月 12 日より、128K トークン以下のプロンプトにおいて、Gemini 1.5 Flash の入力価格は 78% 削減され、100 万トークンあたり 0.075 ドルになります。
出力価格も 71% 引き下げられ、100 万トークンあたり 0.3 ドルに設定されます。
この価格引き下げは 128K を超える長文利用やコンテキストキャッシュにも適用されます。大量のテキスト要約や分類を行う開発者にとって、コスト負担は大幅に軽減されることになります。
あわせて、Gemini 1.5 Flash のテキスト微調整(チューニング)機能が、Gemini API と Google AI Studio を通じて全開発者向けに提供開始されました。独自データを学習させることで、プロンプトのコンテキスト長を削り、応答速度の向上と精度改善を同時に狙えます。
ネイティブなPDF視覚認識とAI Studioの刷新
Gemini 1.5 Pro と Flash はともに 100 以上の言語に対応範囲を広げました。Google によれば、これにより API 経由での言語ブロックによるエラーが解消されます。
また、PDF の理解機能が強化され、テキストだけでなくネイティブな画像認識にも対応しました。PDF 内の図表やグラフ、イラストをそのまま多角的に解析可能です。
エコシステム面では、数百万人の Google Workspace ユーザーが追加設定なしでデフォルトのまま Google AI Studio を利用できるようになりました。管理者側のアクセス制御権限は維持されます。
開発環境である AI Studio 自体も改善され、ページの読み込み速度が約 50% 高速化しました。画像のドラッグ&ドロップ対応やショートカットキーの刷新、プロンプトサジェスト機能が追加されています。
なぜ重要か
開発者にとって、今回の価格改定は日常的なバッチ処理の敷居を劇的に下げるものです。100 万入力トークンで 0.075 ドルという設定は、これまでコスト面から見送られていた大量のログ解析や自動タグ付けなどの処理を現実的な選択肢に変えます。
Flash のファインチューニング開放も実用的です。プロンプトに毎回長文の指示を埋め込む必要がなくなるため、リクエストあたりのトークン消費を抑え、レイテンシを削ることができます。
業界全体を見れば、OpenAI の GPT-4o mini や Anthropic の Claude 3 Haiku に対する強力な牽制となります。フラッグシップ級の知能競争だけでなく、実際のトラフィックを稼ぐ軽量モデルの価格破壊を Google が先導する形です。
PDF の視覚認識についても、従来のテキスト抽出と OCR を組み合わせるパイプラインを簡略化できる可能性があります。複雑な表の読み取り精度などは実際の検証が必要ですが、コスト対効果の観点から今すぐ試す価値のあるアップデートと言えます。
情報源 (1)
- developers.googleblog.com(新しいタブで開きます)原文developers.googleblog.com