Google、検索エンジンに会話型AI導入へ:ChatGPT対抗を加速
Alphabetのスンダー・ピチャイCEOは木曜の決算会見で、対話AI「LaMDA」を活用した新機能を数週間から数か月以内にGoogle検索へ導入すると表明しました。ChatGPTの台頭と広告収益の低迷を受け、DeepMindをGoogle傘下へ再編。誤情報リスクへの懸念から、まずは慎重に展開を進める方針です。

対話型AI「ChatGPT」の急速な普及を受け、検索の巨人Googleがついに反撃の狼煙を上げました。
AlphabetおよびGoogleのスンダー・ピチャイCEOは第4四半期決算説明会にて、同社の対話モデル「LaMDA」を活用した高度なAI機能を「まもなく(very soon)」Google検索へ試験的に導入すると表明しました。今後数週間から数か月以内に一般公開し、フィードバックを募る方針です。
迫る脅威と社内コードレッド
今回の動きの背景には、業績の減速と競合の急追という二重のプレッシャーがあります。同四半期の決算は、売上高・利益ともに市場予想を下回る4四半期連続の未達となりました。YouTube広告収入が前年同期比8%減、検索関連売上も2%減と中核事業に陰りが見えています。
さらに、米Microsoftが支援するOpenAIのChatGPTが台頭し、Bing検索への統合も取り沙汰されています。CNBCの報道によれば、Googleは社内で「コードレッド」を発令し、対話型ボット「Apprentice Bard」やQ&A形式の新UIを従業員向けにテスト中とされます。2019年に第一線を退いた共同創業者のラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏も対策に関与し始めたと報じられています。
ピチャイ氏は検索の刷新に加え、開発者やクリエイター向けに新たなツールやAPIを提供する計画も明かしました。一方で、大規模言語モデルの活用はまだ初期段階であり、慎重に拡大する必要があると釘を刺しました。以前の社内会議でジェフ・ディーン氏が語ったように、Googleは誤情報を提供した際のレピュテーションリスクが新興企業よりはるかに大きいため、極めて慎重なスタンスをとらざるを得ないのが実情です。
DeepMindを中核事業へ統合
もう一つの大きな構造変化が、先端AI研究機関DeepMindの配置転換です。第1四半期より、自動運転など実験的プロジェクトを束ねる「Other Bets(その他の賭け)」部門から、Google本体の直接配下へと財務報告区分が変更されます。
2014年に5億ドル超で買収されたDeepMindは、2021年に初の黒字化を達成しました。CFOのルース・ポラット氏は、傘下企業がGoogleの製品群を直接支える段階に達した際に行う措置であると説明し、2019年のChronicle統合を例に挙げました。基礎研究フェーズを終え、実用プロダクトへの全面投入フェーズに入ったことを示しています。
なぜ重要か
研究開発では常に業界をリードしてきたGoogleが、実用化のスピード勝負において挑戦者の立場に立たされた転換点といえます。
ユーザーや開発者にとって、検索の体験は大きく変わることになります。リンクを辿る作業から、AIが要約した回答を直接受け取る形へとシフトし、APIの提供が始まればOpenAI一強の状況に対抗軸が生まれます。ただ、現時点で試せるのは従業員など一部に限られており、一般ユーザーがその真価を評価できるのはもう少し先になりそうです。
業界全体としては、検索エンジンの覇権争いが一気に加速します。MicrosoftがBingにChatGPTを組み込む動きを見せるなか、Googleは広告モデルとの共食いリスクを背負ってでも生成AIを組み込まざるを得なくなりました。
DeepMindを本体へ組み込み、研究と製品の壁を取り払った判断は合理的です。しかし、誤答が許されない検索トップとしての巨大なブランド価値が、皮肉にも迅速なリリースを阻む足かせとなっています。Googleがこのリスクを制御しつつ、ChatGPTの勢いを押し返せるかが今後の焦点となります。
情報源 (1)
- cnbc.com(新しいタブで開きます)原文cnbc.com