本文へスキップ
IFAI

業界動向

Getty Images、画像生成AI「Stable Diffusion」の開発元を提訴 著作権画像の無断学習を主張

公開 拡散指数 45

Getty Imagesはロンドン高等裁判所でStability AIを提訴した。「Stable Diffusion」の学習用に数百万点もの著作権画像を無断コピーしたと主張している。Getty側はAI技術自体には肯定的で他社への正規ライセンス実績もあるとし、同社のライセンス回避を批判している。

Getty Images、画像生成AI「Stable Diffusion」の開発元を提訴 著作権画像の無断学習を主張
画像:slashgear.com

数行のプロンプトを入力するだけで、わずか数秒で見事な画像が完成する。2022年、画像生成AIは瞬く間に世界中へ広がりました。しかし、その学習に使われた膨大なデータは誰のものなのかという問題に、ついにメスが入ることになりました。

大手フォトエージェンシーのGetty Imagesは、画像生成AI「Stable Diffusion」を手がけるStability AIを相手取り、ロンドンの高等法院に提訴したことを明らかにしました。

数百万枚の画像を無断学習に利用か

Getty Images側の主張は明快です。同社が所有または管理する数百万点もの著作権保護下にある画像を、Stability AIが不当に複製・処理し、自社のAIシステム開発に利用したと主張しています。

Gettyは、Stability AIが商業的利益を追求する過程で、本来用意されているライセンス契約の選択肢を無視し、著作権を侵害したと非難しています。

興味深いのは、Getty Images自身がAI技術そのものを否定していない点です。同社は声明の中で、AIには創造的な取り組みを刺激する可能性があると述べています。

実際、Gettyはすでに複数の未公表のAI企業に対し、モデル学習用として正式に画像ライセンスを提供していると説明しています。

オープンソースの理念とクリエイターの反発

訴えられたStability AIは、AIの民主化を掲げてオープンソースの画像生成ツールStable Diffusionを展開してきた企業です。

2022年11月には「Stable Diffusion 2.0」をリリースし、テキストからの高精細な画像生成を実現しました。ソーシャルメディアや動画制作の現場では、手軽に素材を作れるツールとして歓迎されています。

一方で、多くのクリエイターからは強い怒りの声が上がっていました。職を奪われる懸念だけでなく、既存の作品を同意なく取り込んで学習している点について、正当な対価が支払われていないとの批判が絶えません。

生成AIの急激な進化に対し、著作権法などの法整備は追いついていませんでした。Gettyによる今回の提訴は、その曖昧な境界線に司法の判断を仰ぐ動きとなります。

なぜ重要か

今回の裁判は、生成AIの学習データを巡る権利問題において、今後の業界基準を左右する極めて重要な一戦になります。

Getty Imagesの立ち回りは非常に巧みです。技術の進歩を頭ごなしに拒絶するのではなく、自ら学習用ライセンスビジネスを展開している事実を示したことで、単なる知財侵害とルール違反の追及という構図を作り出しました。

一方で、Stability AIをはじめとするオープンソース推進派にとっては、最大の正念場を迎えたと言えます。Web上のデータを自由にスクレイピングして急成長する手法は、もはや通用しなくなりつつあります。

今すぐユーザーが利用を止められるわけではありませんが、AIモデルを使った商用コンテンツ制作には、潜在的な権利クリアランスのリスクが付きまとうことになります。学習データの正当性を確保できる企業だけが生き残る時代へと、潮目が変わり始めています。

情報源 (1)

  1. [1]
    slashgear.com(新しいタブで開きます)原文slashgear.com

毎日のAIピックアップ