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生成AI初の大型著作権裁判:ゲッティ対Stability AIの審理が英で開始

公開 拡散指数 72

Getty ImagesがStability AIを著作権侵害で訴えた裁判の口頭弁論が英高等法院で始まった。Getty側はStable Diffusionの学習に大量の写真を無断利用されたと主張し、Stability側は事業や業界全体を脅かす訴訟だと反論。生成AIの訓練データを巡る試金石となる。

生成AI初の大型著作権裁判:ゲッティ対Stability AIの審理が英で開始
画像:ocregister.com

過去2年以上にわたり、AI企業は「フェアユース」を盾にウェブ上の膨大なデータを学習に利用してきました。その手法が今、初めて法廷で本格的な審判を受けようとしています。

写真・画像配信大手のGetty ImagesがStability AIを相手取った著作権侵害訴訟の審理が、ロンドンの英国高等裁判所で始まりました。生成AI業界にとって、これが世界で初めて法廷で争われる本格的な著作権裁判となります。審理は約3週間に及ぶ見込みで、判決は後日書面で言い渡されます。

Gettyは2023年初頭に英米両国でStabilityを提訴していました。Stable Diffusionの開発過程において、Gettyが保有する数百万点もの画像が無断でスクレイピングされ、大規模かつ露骨な権利侵害が行われたと主張しています。米国での類似訴訟がまだ審理入りしていない中、英国での審理が先行する形となりました。

創造性とテクノロジーの衝突

初日の冒頭陳述で、Getty側の代理人を務めるリンジー・レーン弁護士は強い言葉でStabilityを批判しました。Stabilityは画像に対して貪欲な食欲を持ちながら、著作権の有無や透かし、さらには成人向けコンテンツかどうかにすら無関心なまま、市場投入を急いだと指摘。今回の裁判はその姿勢に対する「清算の日」になると述べました。

一方でGettyは、AI技術そのものを敵視しているわけではないと強調しています。クリエイティブ産業とテクノロジー産業は協調できるとした上で、問題はStabilityのような企業が対価を支払わずにコンテンツを利用しようとすることだと主張しました。Gettyのクレイグ・ピーターズCEOは以前から、クリエイターには事前に許諾を求めるべきであり、事後的なオプトアウトを強いるべきではないと訴えています。

対するStability側は、この訴訟が業界全体の存続に関わると反論しています。提出書類の中で弁護士のヒューゴ・カディガン氏は、Gettyの主張は自社の事業全体だけでなく、生成AI業界全体に対する明白な脅威だと主張しました。同社の広報担当者も、AIツールによる創作は人類の集合知の上に成り立つものであり、フェアユースや表現の自由の核心にあると説明しています。

またStability側は実務的な防衛策として、モデルの学習が技術的には米アマゾンのサーバー上で行われたため英国に管轄権がないという点や、出力された画像の中でGettyの作品に類似しているものはごくわずかな割合にすぎないと主張しています。

なぜ重要か

この裁判の行方は、生成AIビジネスの前提ルールを根本から塗り替える可能性があります。写真家やイラストレーターなどの権利者にとって、これまで一方的にデータを吸い上げられてきた状況に法的な歯止めがかかるかどうかの極めて重要な試金石です。もし事前の許諾と対価の支払いが必須となれば、クリエイターの権利保護は大きく前進します。

一方でAI業界にとっては、ネット上のデータを無償で利用できる時代が終わりに近づいていることを意味します。元Facebook社長のショーン・パーカー氏が会長を務め、広告大手WPPの出資を受けるStabilityですら、巨額の法的リスクに直面しています。もし学習データのライセンス料支払いが義務化されれば、資金力のある大手テック企業しか最先端モデルを開発できなくなり、スタートアップの参入障壁は跳ね上がることになります。

Gettyの法廷戦略は非常に巧みだと考えられます。AIそのものを否定するのではなく、正当な対価を払う共存モデルを掲げることで、Stability側の「タダ乗り」体質を際立たせることに成功しています。これに対し、サーバーの所在地を理由に管轄違いを主張するStabilityの論理はやや苦し紛れに見えます。裁判所がAI開発に対して無制限の著作権免責を与える可能性は極めて低く、最終的な判決はいずれにせよ、今後のコンテンツライセンス交渉における権利者側の発言力を大幅に強めることになりそうです。

情報源 (4)

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    reuters.com(新しいタブで開きます)原文reuters.com
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