Apple IntelligenceがVision Proに登場:visionOS 2.4が配信開始
AppleはvisionOS 2.4をリリースし、Apple Vision Pro向けにApple Intelligenceの提供を開始しました。文章作成ツールや画像生成アプリ「Image Playground」、Genmoji、ChatGPT連携が利用可能です。初期機能はデバイスと言語を米国英語に設定した環境で提供されます。

3000ドルを超える空間コンピュータを装着し、何もない空間で指を動かして文字を入力するのは、お世辞にも快適とは言えない作業でした。
Appleは3月31日、空間オペレーティングシステムの最新版となる「visionOS 2.4」の配信を開始しました。目玉は、iPhoneやMacですでに先行導入されていたパーソナルAI「Apple Intelligence」の正式対応です。
今回の提供はベータ版という位置づけで、端末およびSiriの言語設定を米国英語に設定しているユーザー向けに開放されます。
空間に溶け込むライティングと生成機能
visionOS 2.4では、テキスト作成やコミュニケーションを補助する一連のAI機能が移植されました。
システム全体で利用できる「記述ツール」では、メールやメモ、対応するサードパーティ製アプリ内で文章の推敲、要約、文法チェックが可能です。トーンを「親しみやすい」「ビジネス向け」「簡潔」に変更できるほか、Compose機能を通じてChatGPTに文章作成を直接依頼することもできます。
表現面では、テキストや写真ライブラリの人物をもとに画像を生成できる「Image Playground」や、入力した説明から独自の絵文字を作り出す「Genmoji」が利用可能になりました。写真アプリでは「自然言語による検索」や、プロンプトからストーリー仕立ての動画を自動編集する「メモリームービーの作成」に対応します。
メールや通知の優先順位付け、要約機能も追加されました。処理は基本的にM2およびR1チップによるデバイス上で行われ、より大規模なモデルが必要な場合はPrivate Cloud Computeを介して処理されます。Appleはこのクラウド上のコードを外部の独立専門家が検証可能にしていると説明しています。
貸し出しのストレスを解消する新連携
AI以外の実用面でも、ユーザーから要望の多かった仕様変更が加わっています。
その代表が「ゲストユーザー」機能の強化です。手元のiPhoneやiPadからセッションを開始し、使用可能なアプリを指定した上で、AirPlay経由で相手の見ている視界を自分のiPhoneにリアルタイムでミラーリングできるようになりました。
さらにiOS 18.4と連携する「Apple Vision Pro」専用iPhoneアプリも登場しました。おすすめの空間コンテンツを探してリモートでダウンロード予約を入れたり、ZEISS製オプティカルインサートのApp Clipコードを保存していつでも確認したりできます。
あわせて追加された「空間ギャラリー」アプリでは、ポルシェやレッドブル、シルク・ドゥ・ソレイユ、Apple TV+オリジナル作品の舞台裏などを収めた空間写真や空間ビデオが定期的に配信されます。
なぜ重要か
テキスト入力の負荷が高い空間コンピュータにおいて、文章の推敲や要約をAIに任せられる価値は極めて大きいと私たちは考えます。手元のVision Proを米国英語環境で使っているユーザーであれば、日常の操作ストレスを確実に減らせるため、今すぐ試す価値があります。
今回のアップデートで見事なのは、iPhoneをハブにして「人に体験させるハードル」を下げた点です。視界を共有しながら案内できる仕組みは、店頭や家庭内での体験共有を一気に実用的なものに引き上げました。
一方で課題も残ります。同日リリースのiOS 18.4では日本語や中国語など多言語対応が進んだのに対し、Vision Pro上のApple Intelligenceは依然として米国英語のベータ版にとどまります。空間コンピューティングならではの新しいAI体験というよりは、既存の2D機能を持ち込んだ段階に過ぎず、ハードウェア自体の高価格という壁を打破する決定打になるかはまだ未知数です。
情報源 (2)
- apple.com(新しいタブで開きます)原文apple.com
- apple.com(新しいタブで開きます)報道apple.com
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