OpenAIのアルトマン氏、米上院公聴会でAI規制とライセンス制の導入を提案
OpenAIのサム・アルトマンCEOが米上院司法委員会の公聴会でAIの規制強化を訴えた。一定水準以上の高度なモデルに対する免許制や事前安全テストの義務化を提言し、業界自らルール形成を主導する姿勢を示している。

米議会の公聴会といえば、テック企業のトップが喚問され、厳しい追及に対して釈明に終始するのが通例でした。しかし、米OpenAIのCEOであるSam Altman氏が米上院の公聴会で見せた態度は、それとは正反対のものでした。自ら進んで政府による規制を求めたのです。
上院司法小委員会で開かれたこの公聴会は、約3時間にわたって実施されました。証言台にはAltman氏のほか、米IBMのチーフプライバシー&トラストオフィサーであるChristina Montgomery氏や、ニューヨーク大学のGary Marcus名誉教授も同席しました。Altman氏は冒頭から、人工知能の安全性を担保するために政府が新たな規制を導入すべきだと明言しました。
GPT-4の半年延期と、ライセンス制の提案
安全性への配慮を示す具体例として、Altman氏はひとつの事実を明かしました。OpenAIはGPT-4のリリースを半年以上遅らせていたという点です。その間、社外の専門家を交えてシステムのテストや改善を繰り返し、信頼性を高める作業に時間を費やしたと説明しています。
議員たちから懸念の声が上がる雇用への影響についても言及しました。AIツールは労働市場に大きな影響を与え、個人の生産性向上や新規雇用の創出がある一方で、雇用の転換や喪失も短期的にもたらすと認めました。同社は影響の時期や規模を把握するため、雇用市場に関する研究資金の拠出も行っているといいます。
規制の具体的な枠組みとしてAltman氏が提示したのは、一定水準以上の高度な能力を持つAIモデルに対する「ライセンス制や登録制」の導入です。モデルの公開前には社内外によるテストを義務付け、その評価結果の公表を求めるべきだと主張しました。
また、機械学習の急速な進化に対応するため、規制基準を定期的に見直す枠組みや、国家間での協調体制を構築することも呼びかけました。
マーケティング技術を手掛ける米SOCiのCEO、Afif Khoury氏は、Altman氏の動きについて「AI規制は不可避であり、OpenAIや米Microsoftが自らルール作りを主導するための先手だ」と指摘しています。かつてMark Zuckerberg氏がSNSのガイドライン策定に介入した構図と重なるという見方です。
なぜ重要か
私たちは、Altman氏の今回の動きは非常に計算された賢い立ち回りであると同時に、業界の競争環境に大きな歪みをもたらすリスクをはらんでいると考えています。
最先端モデルに対するライセンス制や厳格な事前テストの義務付けは、一般ユーザーから見れば安全対策として妥当に聞こえます。しかし、これらは莫大なコンプライアンス費用と監査期間を必要とするため、結果として新興スタートアップやオープンソース陣営に対する強固な参入障壁になりかねません。
潤沢な資金とMicrosoftの支援を持つOpenAIにとって、ライセンス取得の手間は許容範囲内です。しかし、資本力のない開発者にとっては、認可を得ること自体が大きなハードルとなり、開発スピードを大幅に削がれることになります。
利用者や企業側の視点に立てば、自由にモデルを選べる時代から、政府公認のライセンスを受けた大手ベンダーのAPIを利用することが前提の時代へと移行していく可能性があります。AIの安全を確保するという名目のもとで、実質的な寡占化が進む懸念については注視していく必要があります。
情報源 (2)
- @mreflow(新しいタブで開きます)原文twitter.com
- siliconangle.com(新しいタブで開きます)報道siliconangle.com
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