NetflixがOpenAI採用のAI検索をテスト、「気分」に合わせて作品提案
Netflixは、OpenAIの技術を活用した新たなAI検索・推薦機能のテストを開始した。キーワードだけでなく気分や細かい好みに応じた作品探しが可能になる。現在はオーストラリアとニュージーランドのiOSユーザー向けに試験提供中で、数週間から数か月以内に米国でも展開される見込み。

見たい作品が決まらないままNetflixのホーム画面を延々とスクロールし、結局何も見ずに寝てしまった経験は誰にでもあるはずです。
Netflixがこの課題を解決すべく、本格的な実験に乗り出しました。Bloombergの報道によると、同社は映画やドラマをおすすめする新しいAI検索エンジンのテストを開始しました。そしてこの検索機能には、ChatGPTを手がけるOpenAIの技術が採用されています。
ジャンル検索から「気分」での検索へ
これまでのストリーミングサービスの検索は、作品名や俳優名、あるいはコメディといった大まかなジャンルを入れるのが基本でした。
しかし今回テストされている新機能は、ユーザーのその時の「気分」や、より具体的で細かい条件を指定して検索できます。俳優やジャンルの枠を大きく超えた自然な言葉での検索が可能です。
イメージとしては、ChatGPTへのプロンプト入力をそのままアプリ内で行う感覚です。例えば「90年代の骨太なアクションスリラーで、上映時間は2時間未満、過度な暴力描写がないもの」といった要望を投げると、カタログ内から条件に合った作品が提示されます。
Netflixの広報担当者はThe Vergeに対し、今回のテストが事実であることを認めました。現在はオーストラリアとニュージーランドのiOSユーザー向けにオプトイン形式で提供されており、数週間から数カ月以内に米国のiOSユーザーへ拡大する予定です。現時点でiOS以外のプラットフォームに広げる計画はないとしています。
なぜ重要か
私たちは、この動きが動画配信サービスの検索体験における大きな転換点になると考えています。
ユーザーにとっての最大のメリットは、作品選びの迷いから解放される点です。以前からChatGPTにおすすめの映画を聞く人はいましたが、提案された作品が自分の契約しているサービスで見られないという問題がよく起きていました。Netflixが自社カタログの内部にOpenAIの自然言語理解を組み込むことで、見つかった作品をその場ですぐ再生できる利便性が生まれます。
一方で課題もあります。言語モデルがユーザーの曖昧な気分のニュアンスを取り違えたり、ピント外れなおすすめを連発したりすれば、利用者はすぐに以前のランキング画面に戻ってしまうでしょう。
業界全体への影響も見逃せません。Netflixは20年以上にわたって独自の推薦アルゴリズムを磨いてきた企業です。その同社が言語理解の部分で外部のOpenAIと組んだという事実は、対話型検索においては最先端LLMの導入が不可避であることを示唆しています。他社の配信プラットフォームも同様の対話型AI検索への追従を迫られることになりそうです。
情報源 (3)
- bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com
- techradar.com(新しいタブで開きます)報道techradar.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com