Meta、数千億ドル規模のAIデータセンター投資を発表:最大5GW級の巨大クラスタへ
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、数千億ドルを投じてマルチギガワット規模のAIデータセンターを新設すると発表した。来年稼働予定の「Prometheus」に加え、最大5GW規模の「Hyperion」などを整備し、新設の超知能研究所に業界最高水準の計算リソースを配備する。

生成AIの競争は、ついに数万枚単位のGPU調達から、都市全体の電力網を丸ごと買い占める重工業フェーズへと突入しました。
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOはThreadsへの投稿で、数千億ドル(数十兆円規模)を投じて複数の「マルチギガワット級」AIデータセンターを建設すると発表しました。この巨額投資は、OpenAIなどからトップ研究者を引き抜いて先月新設された「Meta Superintelligence Labs」を直接支援するためのものです。
ザッカーバーグ氏は、同ラボが業界トップクラスの計算資源を備え、「研究者一人あたりで圧倒的に世界最大のコンピュート環境を提供する」と強調しています。
マンハッタン級の敷地と5ギガワットの電力網
第1弾となるデータセンター群「Prometheus(プロメテウス)」はオハイオ州ニューアルバニーに建設され、2026年に稼働を開始する予定です。消費電力は数ギガワット規模に達します。1ギガワットはおよそ100万世帯の電力消費量に相当します。
さらにルイジアナ州に計画されている第2の拠点「Hyperion(ヒュペリオン)」は、2030年までに最大5ギガワット規模への拡張が見込まれています。敷地面積は約400万平方フィート、総投資額は約100億ドルとされ、OpenAIが計画する1.2ギガワット拠点の3倍以上の電力容量を誇ります。地元電力会社のEntergyは、同拠点を支えるためだけに1.5ギガワット規模の発電所を新設中です。
ザッカーバーグ氏はこれらに加え、さらに複数の「タイタン・クラスター」を建設中であるとし、そのうち単一の拠点だけでもマンハッタンの相当な面積に匹敵する広さを占めると明かしました。
自社製MTIAと巨額マネーによる力技
2024年に1600億ドル以上の売上高を記録したMetaは、広告事業から得られる莫大なキャッシュをAIインフラに惜しみなく注ぎ込んでいます。調査会社Cambrian AI ResearchのアナリストであるKarl Freund氏は、「ザッカーバーグ氏は資金力でAIの頂点まで登り詰めるつもりだ」と指摘しています。
一方で、単価3万ドルを超えるNvidia製GPUへの過度な依存を抑えるため、自社製プロセッサ「MTIA」も併用します。最新のMTIAは次世代GPUと協調動作し、LLMの生成ワークロードを直接処理できるよう設計されています。
ただし、膨大な環境負荷という代償も伴います。AIデータセンターは電力だけでなく大量の冷却水を消費し、2027年までに全世界で1.7兆ガロンを消費するとの試算もあります。ChatGPTへの1回の質問で、市販のペットボトル1本分に相当する水が消費される計算です。
なぜ重要か
開発者やコミュニティにとって、Metaの巨額投資は強力な追い風です。MetaがLlamaシリーズで示してきたオープン戦略を継続する限り、開発者は巨大資本が生み出すフロンティア級のモデル資産を自由に活用でき、特定ベンダーのクローズドなエコシステムに縛られずに済みます。
業界全体から見れば、フロンティアAI開発の参入障壁はソフトウェアの領域を完全に超え、発電所や変電設備の確保という物理的なインフラ競争へと変貌しました。単一拠点で5ギガワットを消費するようなプロジェクトが標準化すれば、巨大テック企業以外のスタートアップが基盤モデル開発で肩を並べることは事実上不可能になります。
Metaの戦略は、広告事業の潤沢なキャッシュフローを基盤に、Nvidia依存を自社チップで牽制しながらインフラを押さえるという点で極めて合理的です。しかし、数千億ドルもの固定資産投資は、もしスケーリング則が壁にぶつかり「超知能」への道が停滞した場合、巨額の減価償却費という形で同社の財務に重くのしかかるリスクを孕んでいます。
情報源 (3)
- threads.com(新しいタブで開きます)原文threads.com
- siliconangle.com(新しいタブで開きます)報道siliconangle.com
- bbc.com(新しいタブで開きます)報道bbc.com