Meta、ロボット・身体性AI研究用メガネ「Aria Gen 2」発表:SLAMをオンデバイス処理
Meta は機械知覚やロボット工学研究向けの新型スマートグラス「Aria Gen 2」を発表しました。約 75g の筐体に独自低電力チップを搭載し、SLAM やアイトラッキングを端末上で処理します。研究機関向けに提供される予定です。
AIやロボットに現実世界を理解させるためには、人間が見ている通りの主観視点データを学習させる必要があります。
Metaは現地時間2025年2月27日、マシンパーセプションやロボティクス研究向けの次世代スマートグラス「Aria Gen 2」を発表しました。2020年に始動したProject Ariaの後継ハードウェアで、同社のReality Labs ResearchとFAIRラボが主導して開発しました。
重さは約75グラムで、持ち運びやすい折りたたみ式フレームを採用しています。Metaのカスタムチップを搭載し、6〜8時間の連続駆動が可能です。
鼻パッドに心拍センサーと骨伝導マイク
Aria Gen 2は、ディスプレイを省く代わりに高性能なセンサー群を限界まで詰め込んでいます。
RGBカメラや6自由度対応のSLAMカメラ、視線追跡カメラ、空間マイク、各種IMU、気圧計、磁力計、GNSSを網羅しています。SLAMや視線追跡、ハンドトラッキング、音声認識は、外部PCを使わずグラス本体の独自チップ上で超低消費電力で処理されます。
ユニークなのが鼻パッドの設計です。心拍数を計測するPPGセンサーに加え、皮膚の振動を拾うコンタクトマイクを内蔵しました。これにより、装着者自身の話し声と周囲にいる他人の声を正確に聞き分けることができます。
音声出力には耳を塞がないフォースキャンセリングスピーカーを採用し、リアルタイムな音声案内による閉ループ検証を可能にしています。
盲導ナビからヒューマノイド開発まで
初代Ariaで収集された「Ego-Exo4D」データセットは、すでにコンピュータビジョンやロボット工学の重要基盤になっています。
ジョージア工科大学ではAriaを用いてヒューマノイドロボットの家庭内支援を訓練し、BMWはスマート車両へのARおよびVRシステムの統合研究に活用してきました。Gen 2では視覚障害者支援企業のEnvisionが、AIアシスタントAllyとオンデバイスSLAMを組み合わせ、屋内ナビゲーションの試験運用を進めています。
パートナー企業や研究機関への提供時期については、今後数か月以内に詳細を発表する予定です。
なぜ重要か
フィジカルAIや人型ロボットが急激に進化するなか、業界全体で最も不足しているのが人間視点の高品質な行動データです。Aria Gen 2は、視線の動き、手の細かな挙動、バイタルサインまでを同時に記録できる極めて貴重な研究ツールになります。
ディスプレイをあえて搭載せず、75グラムのセンサー特化型ウェアラブルに仕上げたMetaの判断は賢明だと評価できます。ディスプレイ開発の技術的障壁を回避しながら、世界中の大学や先端企業に実機を配り、自社エコシステムにつながる知見とデータを集められるからです。
ただし、あくまで研究用デバイスであるため、一般ユーザーが恩恵を受けるまでには時間がかかります。6〜8時間というバッテリー駆動時間も、過酷な現場実験では十分とは言えない場面があり、実運用での発熱制御や耐久性がどこまで保たれるかが今後の焦点になりそうです。
情報源 (1)
- meta.com(新しいタブで開きます)原文meta.com
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