米連邦判事、MetaのLLaMAに対する著作権侵害訴訟の大半を却下
月曜日、米連邦地裁判事はコメディアンのサラ・シルバーマンらがMetaを訴えた著作権訴訟の大半を却下した。「LLaMAモデル自体が侵害的二次的著作物である」などの主張は根拠不足と判断された。ただし、AI訓練に著作権保護下の書籍を無断利用したこと自体が侵害にあたるかという根本的な論点は依然として審理が続く。

AIがあなたの書いた本を学習した場合、そのAIモデルそのものが著作権を侵害した「二次的著作物」になるのでしょうか。米連邦裁判所は、この論理を明確に退けました。
米連邦地裁のヴィンス・チャブリア判事は、コメディアンで作家のサラ・シルバーマン氏らがMetaを相手取って起こした著作権侵害訴訟の大半を棄却しました。生成AI開発企業とコンテンツ制作者が争う法廷闘争において、司法がAI企業側に軍配を上げたのは、画像生成AIをめぐる先日の判断に続いて2件目となります。
「モデル自体が侵害物」という主張を一蹴
原告側が訴状で展開したのは、極めて踏み込んだ主張でした。Metaの大規模言語モデル「LLaMA」は著作権で保護された書籍を無断学習して作られたため、モデルそのものが違法な二次的著作物であり、ツールが生成するあらゆる出力結果も著作権を侵害しているという理屈です。
チャブリア判事はこの論理を「ナンセンス」と切り捨てました。LLaMAモデルそのものが原告の書籍を作り直したり翻案したりしたものだと理解することは不可能だと決定書で指摘しています。
また、出力結果がすべて侵害にあたるという主張についても、生成物が原告の書籍を取り込んだり変形したりしている証拠が一切示されていないとして退けました。著作権法上の二次的著作物の侵害を立証するには、出力結果に保護対象となる表現が含まれているという実質的類似性を示す必要があると判断されています。なお、原告側には訴状を修正して再提出する機会が与えられています。
学習行為そのものをめぐる本丸の争いへ
ただし、今回の判断でMetaが完全に勝訴したわけではありません。
注目すべきは、Meta側が「モデル学習のために書籍を複製したこと自体が著作権侵害にあたる」という原告の核心的な主張については、棄却の申し立てを行わなかった点です。
AI企業側は、インターネット上のデータをモデル学習に利用することは著作権法上の「フェアユース(公正利用)」に該当すると主張しています。一方でクリエイター側は、対価を支払わずに自らの創作物が商業目的に利用されていると反発しています。
なぜ重要か
この判断は、AI業界全体にとって破滅的な法的リスクを回避する大きな防波堤となりました。
もし裁判所が「モデル自体が違法な二次的著作物である」という原告の論理を認めていれば、LLaMAのようなオープンソースモデルは配布差し止めに追い込まれ、それらを利用してサービスを開発している無数のスタートアップや開発者までもが連帯責任を問われるところでした。出力結果に直接的な類似性がなければ侵害を問えないという基本原則が維持されたことは、開発現場にとって強い安心材料となります。
一方で、作家やクリエイターにとっては厳しい現実を突きつけられた形です。大規模言語モデルは文章を丸ごとコピーして出力するわけではないため、生成結果から実質的類似性を立証することは極めて困難です。
私たちは、法の拡大解釈を退けた裁判所の判断は極めて妥当だったと考えます。しかし、争いの本丸である「学習用データの無断収集と複製がフェアユースとして認められるのか」という問題には、まだ司法の結論が出ていません。この根本的な問いの行方こそが、今後の生成AI産業のコスト構造と知的財産のルールを決定づけることになります。
情報源 (1)
- hollywoodreporter.com(新しいタブで開きます)原文hollywoodreporter.com
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