Figure、Helix 02の「リビング片付け」を披露:データ追加のみで全身制御
FigureはHelix 02ロボットがリビングルームを片付けるデモを公開した。カメラ映像から全身を直接制御する単一のニューラルシステムを採用。アルゴリズムを変更せずデータ追加のみで、スプレー噴霧や拭き掃除、手元でのリモコン操作などを習得した。

散らかったリビングの片付けは、家庭用ロボットにとって究極の目標の一つですが、ロボット工学の観点からは極めて過酷な挑戦です。
工場や整ったキッチンと違い、リビングは予測不能な散乱物であふれています。柔らかいタオルやクッションはつかむたびに形を変え、ソファとテーブルの隙間は狭く、移動しながら同時に両手を使う動作が常に求められます。
Figureは3月9日、人型ロボット向けモデル「Helix 02」を使ったリビング清掃のデモを公開しました。約1カ月前に公開されたキッチン清掃に続くもので、全身を直接ピクセル情報から制御する単一のニューラルシステムによって、部屋全体の片付けを行っています。
タオルを肩にかつぎ、リモコンを持ち替える
今回のデモで目を引くのは、動作の自然さと道具の扱いの器用さです。
Helix 02はスプレーボトルで汚れたテーブルに水を吹きかけ、もう片方の手のタオルで力を込めて拭き取ります。両手を空けたい場面では、腕から外したタオルを手際よく自分の肩にひょいと掛けたり、脇に挟んだりして別の作業に移ります。
オモチャの片付けでも器用な動きを見せます。両手で収納ボックスを抱えながらテーブルのブロックを中に掻き集めたり、ボックスを小脇に抱えて両手を空け、床の散乱物を拾い集めたりします。
さらに、テーブルの上のテレビリモコンを拾い上げると、手の中で向きを変えてボタンを押し、テレビを消してみせました。ソファーのクッションを持ち上げて素早く投げ戻すなど、動的なハンドリングもこなしています。ソファとローテーブルの狭い隙間をサイドステップで通り抜けながら、手の作業を止めずに歩き続ける姿も確認できます。
アルゴリズム変更なし、データを足しただけ
今回の最大の技術的ハイライトは、これらの新しい動作を獲得するためにアルゴリズムを一切書き直しておらず、専用のエンジニアリングも施していない点です。
Helix 02は、カメラの画像ピクセルから直接全身の関節モーターを制御する単一のエンドツーエンドモデルを採用しています。キッチンからリビングへ対応環境を広げるために行ったのは、新しい行動データを既存モデルに追加投入することだけでした。
従来のロボット開発のように、歩行、物体認識、アーム制御といったモジュールを個別に調整することなく、データ量だけでスキルを拡張できる段階に入りつつあります。
なぜ重要か
Figureのアプローチは、人型ロボットの制御ソフトウェアがエンドツーエンドの学習モデルへと完全にシフトしつつあることを裏付けています。
脇に箱を挟んで両手を使ったり、タオルを肩に掛けたりといった動作は、人間が無意識に行う全身協調のたまものです。これらを個別のプログラムで記述しようとすれば膨大な例外処理で破綻しますが、データ駆動型の単一ニューラルネットなら、状況に応じた柔軟な動きとして自然に再現できることが示されました。
業界全体にとっても、新しいタスクを覚えさせるコストが劇的に下がることを意味します。これまで数カ月かかっていた新環境への適応が、デモデータを学習させるだけのプロセスに近づいています。
とはいえ、過度な期待は禁物です。今回のデモは整えられた環境で撮影されたものであり、Figureは長時間の連続稼働における失敗率を公表していません。ペットや子供が予測不能に動き回る一般家庭の実環境において、視覚モデルだけでどこまで堅牢に対応できるかは、今後慎重に見極める必要があります。
情報源 (1)
- figure.ai(新しいタブで開きます)原文figure.ai