アーティスト3人、MidjourneyやStable Diffusionを提訴 著作権侵害を主張
3 人のアーティストが Stability AI、Midjourney、DeviantArt に対し、著作権侵害などを理由に集団訴訟を提起した。同意や補償なしに大量の画像を AI 学習に利用し作風を模倣していると主張し、損害賠償と差止を要求。AI によるデータ学習がフェアユースに該当するかを問う重要な裁判となる。

画像生成AIが爆発的な人気を集める一方で、クリエイターたちの怒りがついに法廷へと持ち込まれました。
テキストを入力するだけで数秒で美麗なイラストを生成できるツールが世界を驚かせる中、その学習データに無断で使われた画像への批判が急速に高まっています。
アーティストとストックフォト大手が相次ぎ提訴
イラストレーターのSarah Andersen氏、Kelly McKernan氏、Karla Ortiz氏の3名は、Stability AI、Midjourney、そしてイラスト投稿サイトのDeviantArtを相手取り、集団訴訟を提起しました。
代理人を務めるのは、弁護士でタイポグラファーのMatthew Butterick氏と、反トラストや集団訴訟を専門とするJoseph Saveri法律事務所です。このチームは、マイクロソフト、GitHub、OpenAIを相手にプログラミング支援AI「Copilot」を巡って起こされた訴訟でも代理人を務めています。
訴状では、直接的な著作権侵害や偽作に関する間接的侵害、米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)違反、パブリシティ権侵害、カリフォルニア州の不正競争防止法違反などが主張されています。Stable Diffusionが学習に用いた「LAION-5B」には50億件以上の画像が含まれていますが、その大半は創作者の同意を得ずに収集され、特定の画風を模倣するために利用されていると指摘されています。
さらに2023年1月17日には、大手ストックフォト企業のGetty Imagesも動き出しました。同社は自社の著作権で保護された数百万枚の画像が不法に複製・利用されたとして、ロンドンの高等法院にStability AIを提訴しました。
公正な利用か、ただの無断使用か
AI開発側はこれまで、ネット上の公開データを学習に使う行為は著作権法上の「フェアユース(公正利用)」に該当すると主張してきました。
しかしButterick氏は、作家やイラストレーター、プログラマーの作品が許諾もクレジットも報酬もなく吸い上げられている現状に危機感を示し、この訴訟はAIを公平で倫理的なものにするための第一歩だと述べています。
一方で注目すべきは、Getty ImagesがAIそのものを否定していない点です。同社は声明で、AI技術が創造的な取り組みを刺激する可能性を認めつつ、すでに複数のAI企業に対して正規のライセンスを提供していると明らかにしました。つまり争点は技術の是非ではなく、正規のライセンス契約を無視してデータを持ち去った行為そのものにあります。
なぜ重要か
クリエイターにとって、この裁判は将来の生活と権利を守れるかどうかの分岐点となります。もし原告側の主張が認められれば、無断でスタイルを模倣するAIの運用にブレーキがかかりますが、退けられれば、公開した作品はすべてAIの無償の餌になる現実を受け入れるしかありません。
業界全体にとっても、ネット上のデータを自由に学習し放題だったボーナスタイムの終焉を意味します。モデルの開発には今後、膨大なライセンス費用が必要になる可能性が高く、オープンソースのコミュニティよりも資金力のある大手IT企業が有利になる構図が強まるかもしれません。
開発企業側がフェアユースの一言で押し通そうとした戦略には、やや無理があったと私たちは考えます。特にGettyのように正規のライセンス窓口を用意していた相手を無視した点は、法廷でも非常に分が悪い材料になり得ます。
情報源 (2)
- techspot.com(新しいタブで開きます)原文techspot.com
- slashgear.com(新しいタブで開きます)報道slashgear.com