本文へスキップ
IFAI

業界動向

Apple、TSMCに次世代「M5」チップを発注:3D積層採用、AIサーバーにも配備へ

公開 拡散指数 37

報道によると、AppleはTSMCに次世代プロセッサ「M5」を発注し、2025年後半の量産を見込んでいる。コスト面から3nmプロセスを維持しつつ3D積層を採用し、MacやiPadだけでなく自社AIサーバーへの配備も計画している。

誰もがAppleがTSMCの次世代2nmプロセスを最初に採用すると予想していましたが、現実はより堅実な計算に基づいていたようです。

韓国メディアのThe Elecが台湾メディアの報道を引用して伝えたところによると、Appleは次世代プロセッサ「M5」の製造開発に着手し、TSMCに対して正式に発注を行いました。

今回のM5シリーズでは、TSMCのより高度な2nmプロセスは見送られ、現行と同じ先進的な3nmプロセスが維持される見込みです。主な理由はコスト面への配慮とみられています。

2nmを見送り、3D積層「SoIC」に舵を切る

微細化の歩みを一段止める代わりに、Appleはチップのパッケージング技術で大きな進化を狙っています。

それがTSMCの3次元積層技術「SoIC(System on Integrated Chip)」の本格採用です。従来の平面的な2D配置とは異なり、チップレットを垂直に積み上げることで、配線長を劇的に短縮します。

この3D構造により、従来の設計に比べて熱管理性能が向上し、リーク電流を大幅に抑えることが可能になります。AppleはTSMCと協力し、熱可塑性炭素繊維複合材料の成形技術を組み合わせた次世代ハイブリッドSoICパッケージの共同開発を進めており、今年7月にはすでに小規模な試作段階に入っていたと報じられています。

クライアント端末からAIサーバーまで「一石二鳥」の設計

M5の生産は早ければ2025年後半に開始される予定です。製品の市場投入は2025年末から2026年初頭にかけて順次進められる見通しです。

まずMacBook Proが2025年後半に登場し、iPad Proは2025年末から2026年半ばにかけて投入されると予測されています。続いてMacBook Airが2026年初頭に登場し、空間コンピュータのApple Vision Proも2025年秋から2026年春の間にM5へ刷新される可能性があります。

さらに注目すべきは、Appleの公式コード内でM5の記述がすでに確認されている点に加え、このチップが自社AIサーバーのインフラにも配備される計画があるという点です。SoICによる柔軟な設計を生かし、コンシューマー向け端末だけでなく、クラウド側のAI処理用チップとしてもM5を活用する構えです。

なぜ重要か

一般ユーザーやクリエイターにとって、M5の最大の恩恵は「発熱の抑制と電力効率の改善」になります。特に薄型ノートやファンレス機、ヘッドセットのように熱設計の制約が厳しい端末では、体感差が出やすいはずです。ただし、現行のM4やM3シリーズでも性能は極めて高いため、今すぐMacが必要なユーザーが買い控えをする必要はありません。

業界全体から見れば、微細化のコストが高騰しすぎた結果、Appleのような巨人ですら新ノード(2nm)への移行を急がず、先端パッケージングで性能を絞り出す段階に入ったことを示しています。半導体競争の主戦場が「プロセスの微細化」から「3D積層技術」へ完全にシフトしたと言えます。

端末用チップとAIサーバー用チップを同一アーキテクチャで共通化する手法は、開発コストを分散させる意味で非常にスマートだと考えられます。他社製アクセラレータに過度に依存せず自前インフラを固める上でも理にかなっています。一方で、高度なハイブリッド3D積層は量産時の歩留まりリスクがつきまとうため、供給の安定化が今後のスケジュールを左右することになりそうです。

情報源 (1)

  1. [1]
    macrumors.com(新しいタブで開きます)原文macrumors.com

トピックを追うAppleのAI特化型シリコン開発

このトピックのニュース。新しい順です。

  1. AppleがUALinkコンソーシアムの理事会に参加、AI相互接続規格の策定へ
  2. Apple、TSMCに次世代「M5」チップを発注:3D積層採用、AIサーバーにも配備へこの記事
  3. Apple、M4 ProとM4 Maxを発表:ニューラルエンジンが最大2倍高速化

毎日のAIピックアップ