Premiere ProにAI映像延長機能:最大2秒を自動生成、期間限定で無料
AdobeはPremiere Pro 25.2を正式リリースし、動画を最大2秒・4K品質で延長できる「Generative Extend」の一般提供を開始した。再撮影なしでつなぎの余白を作れる機能で、当面は期間限定で無料利用できる。あわせてテキストによる素材検索や27言語の字幕自動翻訳も搭載された。

動画編集をしている人なら誰でも、トランジションに必要な素材の長さがあと数フレーム足りず、カットを諦めたり無理なスローをかけたりした経験があるはずです。
Adobeは Premiere Pro の最新版となるバージョン 25.2 の正式提供を開始しました。昨年10月に発表されテストされていた生成AI機能「Generative Extend(生成拡張)」がベータを抜け、全ユーザー向けに一般提供されます。あわせてAI検索パネルや字幕翻訳ツールも正式機能となりました。
あと2秒伸ばすためのFirefly動画モデル
今回最大の目玉は、Adobeの動画生成モデル「Firefly」をベースにした Generative Extend です。素材クリップの末尾を最大2秒間、自然に延長することができます。
最大4K解像度での生成に対応しており、トランジションののりしろを作ったり、カットの最後に入ってしまった余計なカメラのブレを隠したりする用途に向いています。映像とセットなら最大2秒、音声単体であれば最大10秒まで環境音を延長してくれます。ただし、生成できるのは背景の環境音のみで、人の声やBGMの延長には対応していません。
料金面では、当面の間は期間限定で無料利用が可能です。期間終了後は Firefly の生成クレジットを消費する形になります。Creative Cloud のプランに応じて毎月25〜1000クレジットが付与されるほか、月額10ドルで2000クレジットを追加購入することも可能です。消費クレジット数は動画の解像度やフレームレート、フォーマットによって変動するとされていますが、具体的な消費量はまだ公開されていません。
素材検索からカラー処理までワークフローを刷新
バージョン 25.2 では、編集作業の周辺機能も強化されています。
新たに追加されたAI検索パネルは、ライブラリ内のクリップ内容を自動認識します。「キッチンで作業する手のアップ」といった自然言語のテキストを入力するだけで、被写体やカメラアングル、エフェクトを解析して該当のカットを見つけ出してくれます。
また、Premiere Color Management により、LUTを手動で当てなくても Log や Raw データを直接 SDR や HDR に自動変換できるようになりました。さらに、自動字幕起こし機能は27言語への翻訳に対応し、タイムライン上で複数言語の字幕トラックを同時に確認できます。同時リリースの After Effects 25.2 でも、RAMとローカルディスクを併用する新しいキャッシュ機構により長尺のプレビュー性能が向上しています。
なぜ重要か
現場のクリエイターにとって、この機能は非常に即効性の高いアップデートです。わずか数秒の尺足らずのために撮り直しを行うのはコスト的にも時間的にも不可能なケースが多いためです。ネイティブツール内で4K品質の延長ができる点は、いまの無料期間のうちに一度試す価値が十分にあります。
Adobeのアプローチは極めて現実的だと評価できます。多くの動画生成AIが「テキストから全く新しい映像を作る」派手さを競い合う一方で、Adobeはプロの編集者が最も困っている細かな隙間を埋める道具としてAIを実装しました。既存のタイムラインワークフローを壊さずに実用性を高める手法は、クリエイター向けツールとして堅実です。
懸念されるのは、今後のクレジット課金体系です。解像度やフレームレートに応じて消費クレジットが変わる仕組みのため、4K案件で頻繁に利用した場合、あっという間に月枠を使い切ってしまう可能性があります。正式な価格設定が実用的な水準に収まるかどうかが、普及の鍵を握ることになりそうです。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com