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Adobeが動画制作ツールを刷新:Premiere Proに自然言語での素材検索や17言語字幕翻訳を追加

公開 拡散指数 39

AdobeはPremiere ProとAfter Effectsのベータ版更新を発表した。Premiere Proには自然言語で撮影クリップを検索できる端末内完結型のAI検索や17言語の字幕翻訳が加わり、After Effectsではメモリとストレージを併用する新キャッシュによりプレビュー性能が向上した。

Adobeが動画制作ツールを刷新:Premiere Proに自然言語での素材検索や17言語字幕翻訳を追加
画像:blog.adobe.com

動画編集者にとって最も避けたい瞬間は、納品を終えた後に「使えばよかった最高のカット」が素材フォルダの底から見つかることでしょう。素材探しは、ポストプロダクションで最も時間を奪う作業の一つです。

サンダンス映画祭2025の開幕を控えた1月22日、AdobeはPremiere Pro、After Effects、Frame.ioの各ベータ版に向けた大型アップデートを発表しました。生成AIによる派手な映像作成ではなく、素材探しや字幕の翻訳、キャッシュ待ちといった現場の泥臭い負担を減らす改善にフォーカスしています。

ローカルで動くAI検索と多言語字幕

Premiere Pro(ベータ版)の目玉は、AIを活用した「メディアインテリジェンス」と新しい検索パネルです。映像内の被写体やロケーション、カメラアングルなどをAIが自動認識します。

編集者は「夕日を浴びて走る人のクローズアップ」や「レンズフレアが入ったスケートボードをする人」といった自然言語で素材を検索できるようになりました。視覚情報だけでなく、音声テキスト化データや撮影メタデータも横断検索できるため、「カリフォルニア」と入力するだけで関連映像やセリフ、位置情報を一括で抽出できます。

特筆すべきは、この解析処理がすべてユーザーのPCローカル上で完結する点です。インターネット接続は不要で、AdobeはユーザーのコンテンツをAIの学習に使用しないと明言しています。機密性の高い案件を扱うクリエイターにとっては安心材料と言えます。

さらに、テキストベース編集ワークフローの拡張として、17言語に対応した「キャプション翻訳」も追加されました。複数の字幕トラックを同時に表示できるため、多言語向けのSNS展開や外国語素材の編集がスムーズになります。

AEのキャッシュ刷新とカメラ直結のクラウド連携

After Effects(ベータ版)では、長年の悩みだったプレビュー周りが強化されました。メインメモリだけでなく高速な外付けハードディスクなどを併用する新しいキャッシュシステムを採用しています。

これにより、搭載メモリの容量に制限されることなく、長尺で複雑なコンポジションの再生が可能になりました。ハイスペックではないPCでも途切れずにプレビューしやすくなります。あわせてPQおよびHLGをサポートするエンドツーエンドのHDRモニタリング環境も整いました。

撮影現場との連携では、Frame.ioの「Camera to Cloud(C2C)」がキヤノンのシネマカメラ「EOS C80」および「EOS C400」に対応しました。撮影と同時にプロキシファイルが自動でクラウドへアップロードされ、現場でカメラが回っている最中に編集者がカット作業を開始できます。最終書き出し時にはPremiere Pro上で元のRAW素材へ再リンクが可能です。

なぜ重要か

今回のアップデートは、プロの現場が真に求めている課題に的を絞った堅実な一手だと評価できます。テキストから動画を丸ごと生成する派手なAIとは異なり、数テラバイトに及ぶ撮影素材の仕分けやプレビュー待ちといった日々の無駄を確実に削り取ってくれるからです。

特にAIによる素材検索をローカル処理に限定した判断は極めて現実的です。クラウドへのアップロード待ち時間をなくすだけでなく、映画や広告制作で避けて通れない著作権や情報漏洩のリスクをクリアしています。

今年のサンダンス映画祭への出品作品のうち、85%がPremiere Proを含むAdobeツールを使用し、半数以上がPremiere Proで編集されたと報告されています。キヤノンとの連携のように撮影現場からクラウド、編集ソフトまでを直結させることで、Adobeは競合他社が容易に崩せない強力なエコシステムを維持しようとしています。

情報源 (1)

  1. [1]
    blog.adobe.com(新しいタブで開きます)原文blog.adobe.com

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