Adobe、画像生成「Firefly Image 4」発表 Web版には競合モデルも統合
Adobeは新世代の画像生成AI「Firefly Image Model 4」と高精細版「Ultra」を発表した。最大2K解像度や文字描画の向上に対応し、1080p動画モデルも一般提供へ移行。刷新されたWeb版では、OpenAIやGoogle、Fluxといった競合モデルの利用も可能になった。

これまで多くのデザイナーは、リアルな質感を得るために別々の画像生成AIを渡り歩き、最終作業のためにAdobeのソフトへ素材を持ち込むという手間を強いられていました。
Adobeはその状況を逆手に取る動きに出ました。同社は新世代の画像生成モデル「Firefly Image Model 4」を発表すると同時に、FireflyのWebアプリを大幅に刷新し、競合他社の生成AIモデルを同じ画面内で利用できるようにしました。
ライバルを取り込み、動画モデルも一般公開へ
リニューアルされたFireflyのWebアプリでは、Adobe独自のモデルだけでなく、OpenAIのGPT画像生成、GoogleのImagen 3およびVeo 2、そしてFlux 1.1 Proを自由に切り替えて生成できるようになりました。
どのモデルで画像を生成した場合でも、来歴を証明するコンテンツクレデンシャルが自動的に付与されます。Adobeは今後さらに他社モデルを追加する可能性を示唆しており、モバイル版アプリの開発も進めているとしています。
自社モデルの進化も目覚ましい内容です。Firefly Image Model 4は画質や生成速度の向上に加え、カメラのアングルやズームの制御が強化され、最大2K解像度に対応しました。
さらに高度な「Image Model 4 Ultra」も用意されています。AdobeでジェネレーティブAIを担当するAlexandru Costin氏によると、計算資源をひと桁増やして学習させており、微細な構造や複雑なディテール、画像内テキストの描画精度が大幅に向上し、参照画像を用いたスタイル指定も可能です。
昨年から限定ベータだったFireflyの動画生成モデルも、全ユーザー向けに開放されました。テキストや画像から最大1080pの動画を生成でき、カメラアングルの指定や開始・終了フレームの制御、エフェクトの追加が可能です。
ベクター生成からアイデアボードまで網羅
画像や動画にとどまらず、編集可能なベクターデータを生成できる「Firefly Vector Model」も提供されます。ロゴやパッケージ、アイコンなどのバリエーションをすばやく作成できます。
また、ブレインストーミングやムードボード作成に向けた新機能「Firefly Boards」のパブリックテストも始まりました。Visual Electricなどの先行ツールのように、画像を生成・配置し、チームで共同編集しながらアイデアを練ることができます。
開発者向けには「Firefly Services」を通じてText-to-Image APIとAvatar APIが正式版となり、Text-to-Video APIのベータ提供も始まりました。さらに、作品にメタデータを付与して権利を明記し、AI学習への利用拒否を設定できるWebアプリ「Adobe Content Authenticity」のテストも行われています。
なぜ重要か
クリエイターにとっての最大のメリットは、制作フローの集約です。FluxやGoogleの最新エンジンを試すために外部サービスを契約し直す必要がなく、同じキャンバス上で比較しながら作業できるようになります。
私たちの見立てでは、Adobeのこの判断は非常にクレバーです。基盤モデルの純粋な描写力だけでGoogleやオープンソース勢と真っ向勝負し続けるのは容易ではありません。それならば競合モデルを自社アプリ内に取り込み、ワークフローのプラットフォームとしての地位を固めるほうが現実的です。
最終的な編集やレイアウトをPhotoshopやIllustratorで行う以上、入り口を支配し続けることがAdobeの生命線になります。一方で、自社製Fireflyモデルの強みが薄れれば、利用者が他社モデルに偏ってしまうリスクも孕んでいます。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
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