トランプ大統領が科学技術諮問委員会を再編、AI・暗号資産顧問が共同議長に
トランプ米大統領は大統領科学技術諮問委員会(PCAST)を再編する大統領令に署名した。新体制では最大24人のメンバーで構成され、科学技術補佐官とAI・暗号資産特別顧問が共同議長を務め、AIや量子計算政策への助言を行う。

ホワイトハウスが科学技術政策の中枢組織を大きく刷新しました。
トランプ大統領は1月23日、大統領科学技術諮問委員会(PCAST)を再設置する大統領令に署名しました。これにより、バイデン政権が2021年に定めた従来の大統領令は廃止されました。
AIと暗号資産の顧問が共同議長に就任
新体制のPCASTは最大24人のメンバーで構成されます。最大の特徴はトップの布陣です。
委員会の共同議長には、大統領補佐官(科学技術担当)に加えて、新設された「AI・暗号資産担当特別顧問」が就任します。大統領補佐官が科学技術政策局長を兼務する場合は米政府CTOをメンバーに指定できるほか、残りの委員は民間や学術界など政府外から大統領が直接任命します。
重点分野として名指しされたのは、人工知能、量子コンピューティング、先端バイオテクノロジーの3領域です。世界的な競争が激化するなか、米国の技術的優位性を絶対的なものに維持することが安全保障上の急務だと明記されました。
また、大統領令の文面では既存の学術界に対する強い批判も展開されています。科学や医療の現場に集団のアイデンティティを個人の功績より優先するようなイデオロギーが入り込み、イノベーションや信頼を損なっていると指摘しました。
なお、委員会の予算や事務サポートはエネルギー省が担当し、機密情報を扱うためのセキュリティクリアランス付与の手続きも盛り込まれています。
なぜ重要か
AIと暗号資産の専門アドバイザーを大統領諮問組織の共同トップに据えたのは、極めて象徴的です。
これまでPCASTは大学教授や基礎科学の権威が主導するのが通例でした。そこに暗号資産やAIの実務に近い担当者を並列のトップとして置いたことは、新政権が実利的なデジタル経済や規制緩和を最優先課題と見なしている証拠と言えます。
支援母体をエネルギー省に設定した点も合理的です。生成AIや量子計算の覇権争いは、計算インフラと膨大な電力供給の確保が直結しています。国立研究所を傘下に持ち、エネルギーインフラを管轄するエネルギー省に実務を委ねることで、理論にとどまらないインフラ直結の政策推進を狙っていると見られます。
一方で、科学界の思想的偏りを公然と批判したことで、委員の選考が実力本位ではなく政治的忠誠心や特定の業界寄りに偏るリスクも孕んでいます。基礎研究のような長期的な視点が後回しにされないか、今後の人選が試されます。
情報源 (1)
- whitehouse.gov(新しいタブで開きます)原文whitehouse.gov
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