クックCEO、アップルの生成AI研究を明言 英国内でのAI採用も強化へ
米Appleのティム・クックCEOはメディアに対し、同社がChatGPTのような生成AIを研究中であることを認め、英国内でのAI人材の採用を強化する意向を示した。転倒検出や予測入力など既存製品へのAI活用に触れつつ、生成AIへの本格参入に向け水面下で準備を進めていることを裏付けた格好だ。
ビッグテック各社が生成AIの話題で持ちきりになるなか、沈黙を守り続けてきたアップルが、ついに方針を明かしました。
英ロンドンのバタシー発電所にある新英国本社を訪れたティム・クックCEOは、同社がChatGPTのような生成AIを「当然ながら」研究していることを認めました。
すでに製品の裏側で動いているAI
クック氏は、アップルがAI分野で出遅れているという見方をやんわりと否定しています。
同氏によれば、AIはすでにアップル製品のいたる所で機能しています。
Apple Watchの転倒検出や衝突事故検出、心房細動の通知や心電図機能、さらにはiPhoneの予測入力キーボードの裏側でも、常に機械学習モデルが稼働しています。
そのうえでクック氏は、生成AI技術そのものについても社内で研究を進めており、多くの取り組みが進行中であると語りました。
英国でのAI人材採用を加速へ
クック氏はさらに、英国でのAI関連人材の採用を今後増やしていく見通しを示しました。
英国は国別で見てアップルにとって世界第3位の従業員規模を誇り、欧州最大の開発者コミュニティでもあります。アップルは英国内で50万人以上の雇用を支えていると発表したばかりでした。
英国進出から40年が経ち、現地との結びつきは深いとクック氏は強調し、近隣のセント・メアリーズ小学校への訪問も行いました。
なぜ重要か
一般のユーザーにとって、近いうちに単体のチャットアプリが公開されるわけではなさそうです。アップルの狙いは、対話型UIを配ることではなく、Siriの応答やOSレベルの自動化機能に生成モデルを溶け込ませることにあると見られます。
業界全体から見れば、慎重姿勢を崩さなかった巨人が公に生成AIレースへの参戦を認めた意味は大きいです。欧州を中心としたAI研究者やエンジニアの獲得競争は、マイクロソフトやGoogleを巻き込んで一段と激しくなるはずです。
心電図や事故検出といった命に関わる実用機能を「これこそがAIだ」と提示したクック氏の語り口は、非常に巧みだと感じます。
一方で、ライバルのスマートフォンが生成AIによる高度な編集やエージェント機能を次々に打ち出すなか、単なる研究段階にとどまり続ければ、先進的なイメージを損なうリスクも抱えています。
情報源 (1)
- appleinsider.com(新しいタブで開きます)原文appleinsider.com
トピックを追うAppleの生成AI開発
- クックCEO、アップルの生成AI研究を明言 英国内でのAI採用も強化へこの記事
- クックCEOが反論、AIは「アップルの全製品」にすでに組み込まれている
- Appleが社内チャットボット「Apple GPT」をテスト:独自基盤Ajaxを構築、来年発表か