Perplexity、AIショッピング機能を米で公開 会話からPayPal即時決済まで完結
米Perplexityは米国ユーザー向けにAIショッピング機能を無料で提供開始した。検索履歴や文脈からユーザーの好みを学習して的確な商品を提案し、PayPal連携によりチャット画面のまま決済まで完了できる。Webとデスクトップ版から先行提供される。
ネット通販で本当に欲しいものを探そうとすると、無数の広告枠やアフィリエイト目的のまとめ記事に邪魔されるのが日常茶飯事です。
米Perplexityは11月25日、同社のAI検索に対話型のショッピング機能を導入したと発表しました。まずは米国の全ユーザー向けにWebブラウザ版とデスクトップアプリで無料提供が始まっており、iOSおよびAndroid版も数週間以内に対応する予定です。
過去の会話を覚える専属バイヤー
今回の機能は、ユーザーの好みや文脈を記憶するパーソナライズ性能が最大の特徴です。
たとえば「サンフランシスコでフェリー通勤に使える冬用ジャケット」を尋ねると、単なる売れ筋ランキングではなく通勤環境を考慮したアイテムを提案してくれます。さらに続けて「それに合うブーツは?」と聞くだけで、前提条件を理解したままコーディネートを組み立ててくれます。
検索結果は製品スペックやレビュー要約をまとめた専用カードとして表示されます。さらに米PayPalとの提携により、対応加盟店の商品であれば検索画面から離れることなく即座に決済まで完了できます。
Perplexityは加盟店への配慮も強調しています。店舗側が販売事業者(Merchant of Record)としての立場を維持できるため、顧客データの把握や返品対応、購入後の関係構築を自社サイト同様に行うことが可能です。
ホリデー商戦を巡る競争と専門勢の視点
年末商戦を控え、AIによる購買体験の囲い込みは急速に進んでいます。同週には米OpenAIも米Shopifyと連携したChatGPTのショッピング機能を発表しており、米Adobeの予測では今シーズンのAI支援型オンラインショッピングは前年比520%増に達する見込みです。
一方で、特化型のバーティカルAI企業は冷静です。インテリア検索ツール「Onton」のZach Hudson CEOは、汎用AIモデルは既存検索インデックスのデータに依存しており、特定分野を深く構造化した専用モデルには及ばないと指摘します。
ファッション検索「Daydream」のJulie Bornstein CEOも、衣服の購入には生地やシルエット、着用シーンへの深い理解が不可欠だと語っています。これに対しPerplexity側は、自社独自の検索インデックスを構築していると反論しています。
なぜ重要か
ユーザーにとって、日常の具体的なシチュエーションに応じた買い物をしたいとき、この機能は試す価値が十分にあります。アフィリエイト記事を何本も読み比べる手間を省き、スペック確認からPayPal決済までを一つのチャット画面で完結できる体験は快適です。
業界全体で見れば、AIアシスタントの主戦場が「情報の要約」から「商取引の決済」へと完全にシフトしたことを示しています。OpenAIとShopify、PerplexityとPayPalという構図ができあがり、検索エンジンが握ってきたEC送客の手数料モデルを揺るがしつつあります。
店舗側に顧客データを還元する設計にした点は、プラットフォームによる囲い込みを嫌う小売企業を味方につける巧みな一手だと評価できます。ただし、Perplexity自身が批判している「広告主に最適化された検索」という課題に、いずれ自社も直面する可能性があります。巨額の計算コストを回収するため、将来的に自社の検索結果へ有料広告枠を導入した際、現在の「ユーザー第一」のスタンスを貫けるかが今後の焦点になりそうです。
情報源 (3)
- perplexity.ai(新しいタブで開きます)原文perplexity.ai
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com