GoogleのGeminiに対抗、OpenAIがマルチモーダル機能「GPT-Vision」の投入を急ぐ
米The Informationの報道によると、OpenAIは今秋登場予定のGoogle「Gemini」に先駆けて、画像認識などのマルチモーダル機能「GPT-Vision」の一般提供を急いでいる。次世代モデル「Gobi」の開発も進められており、先行するAI市場での優位を死守する構えだ。

半年前に GPT-4 が発表された際、紙ナプキンに描いた手書きのスケッチから一瞬でWebサイトのコードを生成するデモに世界中が驚かされました。しかしそれ以来、この画像認識機能は一般ユーザーにはほぼ開放されていませんでした。
視覚障害者を支援するアプリ「Be My Eyes」での限定的なテストを除き、長いあいだ封印されてきたこの機能が、いよいよ広く解放される見通しです。The Information の報道によると、OpenAI は「GPT-Vision」と呼ばれるマルチモーダル機能を GPT-4 に組み込み、一般向けに急ぎリリースする準備を進めています。
Gemini の登場を前に仕掛ける先手
OpenAI が投入を急ぐ最大の要因は、Google がこの秋にリリースを予定している次世代モデル「Gemini」の存在です。
Gemini は一部の法人顧客向けにテストが進められており、ネイティブなマルチモーダル性能を武器に、ChatGPT 登場以降初めて OpenAI から主導権を奪取する可能性があると目されていました。OpenAI はこれに対抗するため、GPT-4 のビジョン機能開放にとどまらず、「Gobi」というコードネームで呼ばれる次世代マルチモーダルモデルの開発も進めていると報じられています。
サム・アルトマン CEO は最近のインタビューで、GPT-5 のリリースは当面先であるとしつつ、GPT-4 の機能強化を継続する方針を示していました。GPT-Vision はその最大の目玉と言えます。
一方、Google のスンダー・ピチャイ CEO は先週の Wired の取材に対し、ChatGPT が市場の準備状況を証明したことを認めつつも、自社製品への信頼と責任を重視して慎重なアプローチを取っていると自信を見せていました。
なぜ重要か
ユーザーや開発者にとって、AI が「視覚」を持つことの意味は絶大です。グラフのスクリーンショットを投げて要約させたり、手書きのワイヤーフレームからUIコードを書き出させたりと、これまでテキストで必死に説明していた手間が丸ごと省けます。
業界全体にとっても、生成AIの主戦場がテキストからマルチモーダルへ完全にシフトしたことを示しています。Google は Gemini で一気に形勢逆転を狙っていましたが、OpenAI が先に GPT-Vision を普及させてしまえば、Gemini の新鮮味は大きく削がれることになります。
OpenAI のこの動きは極めて的確な防衛策に見えます。半年以上も一般公開を見送ってきた背景には、膨大な推論コストや安全対策の難しさがあったはずです。それを今このタイミングで投入するのは、Google の追撃に対する強い警戒感の表れと言え、実際の利用でコストや精度がどう維持されるかが今後の焦点になります。
情報源 (1)
- aibeat.co(新しいタブで開きます)原文aibeat.co
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