Google、GPT-4対抗の次世代AI「Gemini」の公開を2024年初頭に延期
米報道によると、Googleは次世代AIモデル「Gemini」の提供を、当初予定していた11月から2024年初頭へ延期した。DeepMindがGPT-4に対抗すべく開発を進める主力モデルだが、生成AIレースでOpenAIの背中を追うGoogleの苦戦が続いている。

ChatGPT を追いかける Google の本命モデルは、もうしばらくお預けとなりそうです。
The Information が報じたところによると、Google は次世代 AI モデル「Gemini」の提供開始を 2024 年初頭へ延期しました。一部のクラウド顧客に対しては、11 月中に利用可能になると伝えていた経緯があります。
Google Brain や DeepMind を通じて 2010 年代初頭から AI 研究をリードしてきた Google ですが、2023 年に対話型 AI が巻き起こした熱狂の波には乗り遅れた格好です。
期待を集める本命と、相次ぐ人材流出
Gemini は年内にデビューし、画像認識や音声認識をネイティブで備え、OpenAI の GPT-4 や Anthropic の Claude 2 に対抗する設計とされていました。
今年初めに公開された Bard は機能制限が目立ちました。DeepMind の CEO である Demis Hassabis 氏は 6 月の Wired の取材に対し、強化学習や木探索(tree search)といった技術を組み込み、Gemini こそが ChatGPT に対抗する真の本命になると語っていました。
しかし、足元では人材の維持に苦しんでいます。「AI のゴッドファーザー」と呼ばれる Geoffrey Hinton 氏は AI の規制とリスクを理由に 5 月に退社しました。2018 年にも軍事利用を巡って幹部陣が集団辞任した経緯があります。
社内から流出したメモでは「Google には AI レースで勝つための秘伝のタレがない」と指摘されていました。その一方で、Google は競合である Anthropic に巨額の出資を行うなど、自社開発以外の保険をかける動きも見せています。
検索の巨人ゆえのジレンマ
ライバルの OpenAI は先週、300 ページもの長文を読み込めるアップデートを発表し、11 月末には GPT Store を立ち上げるなど猛スピードで走っています。
Google が抱える課題は、単なる開発の遅れにとどまりません。対話型 AI が検索エンジンを代替し始めた場合、同社の中核である広告モデルそのものが打撃を受けます。
すでに自社の検索エンジンに対話型機能を組み込むテストを進めていますが、Gemini が出す回答の中にどのように広告を埋め込んで収益化するかという根本的な答えは、まだ見つかっていないように見えます。
なぜ重要か
OpenAI への依存度を下げたい開発者や企業にとって、今回の延期は痛手です。11 月に Gemini を評価してマルチベンダー化を進めようとしていた層は、2024 年初頭まで選択肢を保留せざるを得ません。
業界全体で見れば、OpenAI が GPT Store などでプラットフォームとエコシステムを固めつつあるのに対し、Google は基盤モデルの投入段階で足踏みしており、差はむしろ広がっています。
私たちは、今回の遅れは純粋な技術的困難だけでなく、Google が抱える「イノベーターのジレンマ」の現れだと考えています。検索というドル箱を守りながら自らそれを壊すプロダクトを出すことへの迷いが透けて見えます。年明けに登場する Gemini が現在の GPT-4 と同等レベルにとどまるなら、Google の優位性を取り戻すのは容易ではないはずです。
情報源 (1)
- gizmodo.com(新しいタブで開きます)原文gizmodo.com
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