本文へスキップ
IFAI

業界動向

OpenAI、マルタ政府と提携:AI講座修了で全市民にChatGPT Plusを1年無償提供

公開 拡散指数 42

OpenAIとマルタ政府は、全マルタ市民を対象にChatGPT Plusを1年間無償提供する提携を発表した。マルタ大学による無料のAIリテラシー講座を修了した市民から順次提供される。これは各国のAI導入を支援する「OpenAI for Countries」構想に基づく世界初の国家規模の取り組みとなる。

OpenAI、マルタ政府と提携:AI講座修了で全市民にChatGPT Plusを1年無償提供
画像:openai.com

政府が国民に配る支援策といえば、給付金や税制優遇が一般的です。しかし地中海の島国マルタは、まったく新しい施策に踏み切りました。全米や欧州でも前例のない、全国民への「ChatGPT Plus」無償提供です。

マルタ政府とOpenAIは、全国民を対象にChatGPT Plusを1年間無料で提供するパートナーシップを発表しました。

ただし、申請すれば無条件でもらえるわけではありません。利用権を手にするには、ある前提条件をクリアする必要があります。

講習を修了した国民に1年間無料提供

この取り組みは、マルタの国家戦略「AI for All」の一環として実施されます。対象となる市民はまず、マルタ大学が開発した無料のAIリテラシー講習を受講しなければなりません。

講習の内容は専門的な開発手法ではなく、AIとは何か、何ができて何ができないのか、そして家庭や職場で安全かつ責任を持って活用する方法を学ぶためのものです。

コースを完了すると、受講者はChatGPT Plusを1年間追加費用なしで利用できるようになります。配布と資格管理はマルタデジタルイノベーション庁が担当し、5月から順次開始されます。

マルタの経済・企業・戦略プロジェクト担当大臣であるSilvio Schembri氏は、デジタル時代において国民を誰一人取り残さないための取り組みだと説明しています。

インフラ化を狙うOpenAIの国家戦略

OpenAIにとっても、今回の提携は極めて重要な布石です。同社で国家連携部門を率いるGeorge Osborne氏は、知能は電気のような公共インフラになりつつあると述べています。

今回の施策は、OpenAIが各国政府と進める「OpenAI for Countries」プログラムの最新事例です。これまでもエストニアやギリシャで公教育支援などの連携を行ってきましたが、全国民規模で有料プランの利用枠を配るのはマルタが世界初となります。

なぜ重要か

一般市民にとって、月額20ドルの有料プランを無料で使えるメリットは非常に大きいです。さらに注目すべきは、無料枠の付与に大学の基礎講習受講を義務付けた点だと私たちは考えます。

生成AIは便利な反面、誤情報への対処や使いどころが分からず挫折する人が少なくありません。教育と最新ツールをセットで提供する手法は、国民全体の活用ハードルを下げる上で極めて現実的で賢い判断です。

業界全体から見れば、OpenAIが国家単位で市場を押さえるToG(対政府)戦略を本格化させたことを示しています。ライバル企業が個人の有料会員獲得を競う中、政府丸ごとの包括協定を結べば、一気に強固なシェアを確立できます。

一方で課題もあります。マルタは人口が少ない小国だからこそ成立したモデルであり、数千万人規模の大国で同様の公費負担や計算資源を賄うのは容易ではありません。また、1年間の無償期間が切れた後、国民が自費で利用を継続するかどうかも今後の検証課題となるはずです。

情報源 (1)

  1. [1]
    openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com

毎日のAIピックアップ