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業界動向

OpenAIの内部メール流出、2017年時点でアルトマン氏への不信感が浮き彫りに

公開 拡散指数 43

マスク氏の訴訟で公開されたメールにより、2017年時点でブロックマン氏とサツケヴァー氏がアルトマン氏の動機に不信感を抱いていたことが判明した。両氏はマスク氏の独裁的傾向も警戒していたほか、アルトマン氏によるICO資金調達案なども明らかになった。

OpenAIの内部メール流出、2017年時点でアルトマン氏への不信感が浮き彫りに
画像:transformernews.ai

2023年末に起きたOpenAIのサム・アルトマン解任騒動は、突発的なお家騒動に見えたかもしれません。しかし、イーロン・マスクがOpenAIを相手取って起こした訴訟で公開された初期の社内メールは、その見方を完全に覆しました。

メールが交わされたのは2017年。共同創業者たちが組織の主導権を誰が握るか、そして非営利組織から営利企業へ移行すべきかを激しく議論していた時期です。

社内の不信感は、当時すでに決定的なレベルに達していました。

2017年に始まっていた不信と権力闘争

2017年9月20日、共同創業者であるグレッグ・ブロックマンと首席科学者のイリヤ・サツケヴァーは、アルトマンに連名でメールを送りました。

2人は「このプロセスを通じて、あなたの判断を完全には信頼できなくなっている」と率直に告げ、さらに踏み込んだ質問を投げかけています。

「汎用人工知能(AGI)は本当にあなたの第一の動機なのか? あなた自身の政治的野心とどう結びついているのか?」

批判の矛先はマスクにも向かっていました。2人はマスクに対し、「最終的なAGIを支配したくないと言いながら、交渉では絶対的なコントロールを求めている」と指摘。「あなたが望めば独裁者になれるような組織構造を作るのは最悪のアイデアだ」と警告しました。

これに対し、マスクの側近でOpenAIのアドバイザーを務めていたシヴォン・ジリスの記録によると、アルトマンはグレッグとイリヤへの信頼を大きく失ったと漏らしていました。マスクも「これが最後の藁(我慢の限界)だ」と激怒し、自分たちで勝手にやるか、非営利のまま続けるかの二者択一を迫りました。

ディープマインドへの恐怖、マイクロソフトへの罵倒、そして仮想通貨構想

公開されたメールには、当時の生々しい内幕がいくつも含まれています。

マスクは当時、Google傘下のDeepMindに対して激しい警戒感を抱いていました。2016年のメールで「極度の精神的ストレスを感じている」と吐露し、彼らの思想によってデミス・ハサビスがAGI独裁を生み出すことを懸念していました。アルトマンも2015年に、AI開発を止めることが不可能ならGoogle以外の誰かが先に到達すべきだと記しています。さらにアルトマンによれば、DeepMindがOpenAIを潰すために全社員へ巨額の引き抜きオファーをかけようとした局面もあったといいます。

現在の盟友であるマイクロソフトとの関係も、当初は険悪でした。2016年の提携案に対し、マスクは「吐き気がする」「マイクロソフトのマーケティングの犬に見られないためなら、5000万ドル以上の価値がある」と吐き捨てていました。

資金難に直面したアルトマンは、新規仮想通貨公開(ICO)による資金調達まで検討していました。これにはマスクが「信用を完全に失う」と猛反対して立ち消えになりました。

また、2017年に3000万ドルを助成した安全研究ファンドのオープン・フィランソロピーも営利化に難色を示していました。同団体のホールデン・カルノフスキーが非営利維持を条件に追加出資を打診した際、アルトマンは1億ドルという巨額を提示したとされています。

なぜ重要か

このメール群が浮き彫りにしたのは、最先端AI開発の現場が当初から理想主義とはかけ離れた権力闘争の舞台だったという事実です。

一般ユーザーや開発者にとって、OpenAIは人類のためのAIを掲げる求道者、あるいは洗練されたテック大手に映るかもしれません。しかし実際には、創業初期から創業メンバー同士が独裁を警戒し、互いの動機を疑い合っていました。2023年に起きたクーデター劇は偶発的な事故ではなく、2017年以来くすぶり続けていた不信の導火線が着火したにすぎないことがよく分かります。

業界全体にとっても示唆に富んでいます。あれほどマイクロソフトの下請け化を嫌悪していた組織が、今や同社の計算資源なしには存続できず、非営利を掲げて集めた資金を足場に完全な営利企業へと姿を変えようとしています。巨額の計算リソースが必要なAGI開発において、理念がいかに資本の論理に呑み込まれていくかを物語っています。

私たちは、この歴史を知る開発者ほど、単一のAIプロバイダーの理念に依存すべきではないと考えます。理念や看板は状況次第で覆るのがこの業界の現実であり、マルチモデルの採用や自前のフォールバック設計を怠らない姿勢が不可欠です。

情報源 (1)

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    transformernews.ai(新しいタブで開きます)原文transformernews.ai

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