解任のアルトマン氏、OpenAIのCEO復帰に向け取締役会と協議中か
米Bloombergによると、OpenAIの取締役会がサム・アルトマン氏のCEO復帰に向けた協議を進めている。早ければ今週中にも復帰する案や、米Salesforce元共同CEOのブレット・テイラー氏を交えた暫定取締役会の設置などが議論されている。投資家や社員の反発が強まる一方、アルトマン氏は統治体制の抜本的刷新を要求している。

マイクロソフトへの移籍が報じられたばかりのサム・アルトマン氏が、再びOpenAIのCEOとして返り咲く可能性が高まってきました。
11月21日付のBloombergやThe Vergeの報道によると、OpenAIの取締役会は解任したアルトマン氏と復帰に向けた緊急の協議に入りました。投資家たちは感謝祭の休暇が始まる前に、この前代未聞の経営危機を収拾したい考えです。
社員700人が造反、マイクロソフト行きは「時間稼ぎ」
マイクロソフトが月曜朝に発表した「アルトマン氏とグレッグ・ブロックマン氏の採用」は、市場を落ち着かせるための暫定的な避難措置に過ぎなかったと関係者は明かしています。アルトマン氏の名前は、同社の社内社員名簿にすらまだ登録されていません。
取締役会を交渉の席に引き戻したのは、社内の猛烈な反乱でした。全従業員約770人のうち、700人以上が取締役会の退陣とアルトマン氏の復帰を求める署名状を提出しました。
しかも、金曜日にアルトマン氏の追放を主導したチーフサイエンティストのイリヤ・サツケヴァー取締役までもが一転して署名に加わりました。抵抗を続けるのはQuoraのCEOアダム・ディアンジェロ氏ら3人の取締役のみです。
新CEOとして指名されたTwitch共同創業者のエメット・シア氏に対し、社員は社内Slackで過激な絵文字を送り、日曜の緊急全社会議への出席を拒否するなど、現場の怒りは頂点に達しています。
孤立する臨時CEOと新取締役の模索
シア氏自身も取締役会から十分な説明を受けておらず、明確な解任理由が示されないなら辞任する意向を示唆していると伝えられています。
現在は暫定的な新取締役会の設置が議論されており、セールスフォースの元共同CEOであるブレット・テイラー氏らの名前が候補に挙がっています。Thrive CapitalやSequoia Capitalなどの大口投資家もアルトマン氏の復帰を強く後押ししています。
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOもメディア取材に対し、アルトマン氏がOpenAIに残るか同社に来るかに関わらず「ガバナンスの刷新が不可欠だ」と明言しました。
なぜ重要か
今回の騒動は、非営利組織の理事が営利部門を監視するというOpenAI独自のガバナンスモデルが、現実の事業運営と完全に衝突したことを浮き彫りにしました。
私たちは、アルトマン氏が復帰すれば、創業当初の「理想主義的な安全管理体制」は事実上解体されると見ています。看板トップと700人以上の技術者の忠誠心、そして巨額のマネーを前に、理念を掲げただけの取締役会はあまりにも無力でした。
APIやサービスを利用する世界中の開発者や企業にとっては、事業の継続性が担保される安心材料になります。しかしその代償として、OpenAIは安全ブレーキを失い、マイクロソフトや投資家の意向をより強く反映する、ごく一般的なシリコンバレーの巨大テック企業へと変貌していくことになりそうです。
情報源 (2)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com