MistralがMedium 3.5発表、Vibeのコーディングエージェントをクラウド非同期実行に対応
Mistralはオープンウェイトの128Bモデル「Mistral Medium 3.5」を公開し、Vibeでクラウド遠隔エージェント機能を提供開始した。SWE-Benchスコア77.6%を記録し、4基のGPUでホスト可能。ローカル環境を拘束せず、並行してクラウド上で自律コーディングやPR作成を行う。

Mistral Medium 3.5は、Mistralが公開した128Bの高密度(dense)オープンウェイトモデルです。改変MITライセンスで提供され、コーディング環境「Mistral Vibe」およびアシスタント「Le Chat」の新たな基盤として機能します。ローカル環境を専有していたコーディングエージェントをクラウドのサンドボックスに逃がし、非同期かつ並行して自律タスクを実行できる点が大きな特徴です。
何ができるのか
これまでの端末型コーディングエージェントは、処理中にローカル環境が拘束され、作業の進行を見守る必要がありました。今回のアップデートにより、Vibe CLIやLe Chatのチャット画面からクラウド上のエージェントへタスクを丸投げできるようになります。
便利なのがセッションのテレポート機能です。手元のCLIで着手したタスクを、実行履歴やステータス、権限設定を保ったままそのままクラウドへ転送できます。PCを閉じて席を外しても、バックグラウンドで作業が継続します。
エージェントは隔離されたクラウドサンドボックス内でコード編集やライブラリのインストールを行います。GitHub、Linear、Jira、Sentry、Slackなどのツールと連携し、テストコード生成、依存関係のアップデート、モジュールリファクタリング、CIエラー調査などを自律処理します。作業が終わると自動でGitHub上にプルリクエストを作成して通知を送るため、人間は結果のレビューに集中できます。
また、Le Chatに新設された「Work mode」でも本モデルが稼働し、メールやカレンダー、社内ドキュメントをまたいだマルチステップ調査やツール連携タスクを並行処理します。メッセージ送信やデータ変更など慎重を要する操作には事前の承認を求める設計です。
スペックと動作環境
Mistral Medium 3.5は、指示追従、推論、コーディングの能力を単一の重みに集約した128Bモデルで、256kのコンテキストウィンドウを備えています。リクエスト単位で推論の思考量を調整でき、多様な画像サイズやアスペクト比に対応するビジョンエンコーダもゼロから学習されています。
ベンチマークでは、ソフトウェア開発評価のSWE-Bench Verifiedで77.6%を記録し、前世代のDevstral 2やQwen3.5 397B A17Bを上回りました。ツール呼び出し能力を測るτ³-Telecomでも91.4をマークしています。
自社インフラでのセルフホストは最小4基のGPUで動作可能です。重みはHugging Faceから改変MITライセンスで入手できるほか、NVIDIAのbuild.nvidia.comやNVIDIA NIMマイクロサービス経由でも提供されます。API価格は入力100万トークンあたり1.50ドル、出力100万トークンあたり7.50ドルに設定され、VibeおよびLe Chatの有料プラン(Pro、Team、Enterprise)で即日利用できます。
なぜ重要か
依存関係の更新やテスト作成、バグ修正など、判断よりも手作業の時間がかかる定型エンジニアリング業務に悩まされているチームなら、すぐに試す価値があります。ローカル端末の負荷から解放され、並行してクラウドに作業を投げてPRで成果を受け取るフローは、実務のボトルネックを直接解消します。
4基のGPUでホスト可能な128Bのサイズ感に収めながら、SWE-Benchで77.6%を叩き出した実用性の高さは秀逸です。CLIセッションをクラウドへ引き継ぐシームレスな体験も含め、自律型エージェントを日々の開発現場に定着させる堅実な一歩といえます。
情報源 (1)
- mistral.ai(新しいタブで開きます)原文mistral.ai