HubSpot、中小企業向けマーケティング&営業用「HubSpot AI」を発表
HubSpotはイベント「INBOUND 2023」で、プラットフォーム全体に組み込む新機能群「HubSpot AI」を発表した。メール作成や画像生成を行うAIアシスタント、予測分析、OpenAI連携のChatSpotなどを提供し、来年にはAIエージェントも追加する。

大企業が専任チームを組んでLLMの導入を進める一方で、中小企業(SMB)の多くは日常のメール返信や営業管理の手作業に追われています。
HubSpotは年次イベント「INBOUND 2023」において、同社プラットフォーム全体に組み込まれる新機能群「HubSpot AI」を発表しました。あわせて主力製品である「Sales Hub」の大幅な刷新も行われています。
メール作成から自動カスタマーサポートまで
HubSpot AIは、生成AIと予測AIの両方を既存のワークフローに統合する試みです。
日常業務を支援する「AI Assistants」は、営業メールの下書き作成や画像生成、ブログのアイデア出しをツール内で行えます。
来年の提供開始を予定している「AI Agents」は、Webチャットやメール経由の問い合わせ対応を自動化する仮想エージェントです。HubSpotの製品担当VPであるChristopher Miller氏によると、SMBの顧客対応をフルオートメーション化することを目指しています。
また、OpenAIの技術とSmart CRMのデータを連動させた対話型ツール「ChatSpot」は、パブリックベータ版ですでに8万ユーザーを獲得しました。見込み客の資金調達状況を調べたり、メッセージを推敲したりといった作業を会話形式で実行できます。
予測精度95パーセントを掲げる営業管理
今回の発表で同社が強調したのは、テキストを生成するAIだけでなく、数値を予測するAIの重要性です。
刷新されたSales Hubには、リードの進捗を自動レポート化する機能や、統一されたプロスペクティング画面が追加されました。
注目されるのは予測AIを活用したインテリジェント商談管理機能です。案件の健全性スコアを算出して優先順位をつけ、95パーセントの精度で将来の売上を予測できるとしています。
さらにLinkedInとの提携も強化され、LinkedIn Sales NavigatorのリードデータをSmart CRMへ直接取り込む機能がプライベートベータとして提供されています。
なぜ重要か
自社でAIモデルを検証・実装するリソースを持たない中小企業にとって、日常業務で使っているCRMにこれらの機能が最初から組み込まれている価値は非常に高いと言えます。HubSpotをすでに契約しているなら、ChatSpotやメール作成アシスタントは今すぐ試す価値があります。
業界全体で見れば、SalesforceのEinsteinやマイクロソフトのCopilotに対抗するための防衛線です。中小企業が事業拡大に伴ってエンタープライズ向け製品へ乗り換えてしまうチャーンを防ぐ狙いが見て取れます。
テキスト生成の派手さに流されず、商談の健全度スコアや売上予測といった実利的な予測AIにリソースを割いた判断は賢明だと評価できます。ただし、予測AIの精度は日々のCRM入力データがどれだけ整っているかに完全に依存します。中小企業の現場で入力漏れやデータ不備が多い場合、公式が掲げる95パーセントの精度を実感するのは容易ではないという懸念も残ります。
情報源 (1)
- venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com