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業界動向

Googleが検索刷新へ:AIチャットと短尺動画で「10本の青いリンク」脱却を模索

公開 拡散指数 64

米WSJなどの報道によると、Googleは社内プロジェクト「Project Magi」を進め、検索結果にAI対話やソーシャル動画を取り入れる計画だ。ChatGPTやTikTokの台頭に対抗し、明確な正解がない日常の調べ物に焦点を当てる。まず米国で100万人のユーザー向けにテストを開始する予定だ。

Googleが検索刷新へ:AIチャットと短尺動画で「10本の青いリンク」脱却を模索
画像:the-decoder.com

過去20年以上にわたり、インターネット検索の代名詞といえば「1行の検索窓」と「10件の青いリンク」でした。しかし、そのおなじみの光景が大きく変わろうとしています。

米Wall Street JournalとNew York Timesが入手したGoogleの社内文書によると、同社は主力である検索エンジンの大規模な刷新を計画しています。掲げられたテーマは「ビジュアル(視覚的)、スナッカブル(手軽に消費できる)、パーソナル(個性的)、そしてヒューマン(人間味がある)」です。

従来のウェブサイトのリンクを並べる形式から脱却し、対話型AIやショート動画、SNSの投稿を検索結果の前面に押し出す方針です。主なターゲットは、レストラン探しや生活のアドバイスをTikTokやInstagramで検索する若い世代です。

「正解のない問い」に動画とAIで答える

Googleの社内文書によると、今回の変革は「唯一の正しい答えが存在しない問い」にどう答えるかという課題に基づいています。

旅の計画やおすすめの料理といった検索では、従来のリンク集よりも生身の体験談や動画の方が役立つ場面が増えています。さらに文書によれば、近年は従来型の活動的なウェブサイトの増加数が停滞しているとのことです。

そこでGoogleは、検索結果により多くのクリエイターの声やSNSの投稿、TikTok動画を組み込む予定です。質問に対する追加の質問を提示したり、チャット形式で深掘りしたりできるようになります。一方で、ウェブサイト運営者の反発を避けるため、出典元のリンクを明記し、信頼性の高いコンテンツを再定義するためのツールも提供するとしています。

危機感が生んだ社内計画「Project Magi」

この動きの背景にあるのが、社内で「Project Magi」と呼ばれる極秘プロジェクトです。

報道によると、160人以上の専任スタッフが投入されており、既存の検索エンジンに会話型AI機能を統合する作業を進めています。検索広告ビジネスを損なわない形で設計されており、まずは米国で100万人のユーザーを対象にテストが開始される見込みです。

Magiによって、Google検索はコード生成などの専門的な質問にも対話形式で答えられるようになります。また、画像生成AI「GIFI」や語学学習ボット「Tivoli Tutor」、閲覧中のウェブページ(Airbnbなど)の文脈を理解して質問に答えるChrome向けアシスタント「Searchalong」なども開発中とされています。

Googleが開発を急ぐ背景には、競合の猛追があります。年間2億台以上のスマートフォンを出荷するSamsungが、標準の検索エンジンをGoogleからMicrosoftのBingに切り替えることを検討していると報じられ、社内に強い危機感が走ったと伝えられています。

なぜ重要か

私たちは、この刷新をGoogle検索にとって過去数十年間で最大の方向転換だと捉えています。

一般ユーザー、特にスマートフォン中心の生活を送る若い世代にとっては、検索が直感的で便利になるはずです。複数のブログを開いて比較しなくても、動画とAIの要約で知りたい情報を素早く掴めます。ただし、手軽に消費できる情報が増える分、深い専門知識や多様な視点にたどり着くハードルが上がる懸念もあります。

ウェブ業界全体への影響も避けられません。Googleはこれまで、ウェブサイトにトラフィックを流すことでコンテンツエコシステムを支えてきました。しかし検索結果内で動画やAIチャットが完結するようになれば、既存メディアへの流入は大幅に減少する可能性があります。

OpenAIの台頭だけでなく、TikTokによる若者の検索離れという二重の脅威に対し、Googleが「脱・青いリンク」を決断したのは理にかなっています。しかし、巨額の広告収入を守りながら検索体験をどこまで壊せるのか、その舵取りは極めて難しい挑戦になりそうです。

情報源 (3)

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    wsj.com(新しいタブで開きます)原文wsj.com
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