GoogleがGeminiを更新:カスタムAI「Gems」提供開始、Imagen 3も導入
Google は Gemini 有料プラン向けにカスタム AI を作成できる「Gems」機能と、最新の画像生成モデル「Imagen 3」の順次提供を開始した。簡単な指示で目的別の専門家 AI を作れるほか、より高品質な画像生成が可能になる。Gems は Advanced などの有料ユーザーが対象。

OpenAI の Custom GPTs を日常的に使っている人なら、Google の対応を待ち望んでいたはずだ。5 月の Google I/O で予告されていたカスタム AI 機能「Gems」が、ようやく本格的に動き出した。
Google は Gemini Advanced、Business、Enterprise の有料プラン向けに「Gems」の提供を開始した。あわせて、最新の画像生成モデル「Imagen 3」を Gemini 全体に順次導入することも発表している。
指示を書くだけで専門家AIチームが完成
端的に言えば、Gems は Gemini を特定の目的に合わせてカスタマイズできる機能だ。プログラミングの知識は一切不要で、AI の名前を決め、どんな役割を果たしてほしいかを数行の自然言語で指示するだけで完成する。
一度 Gem を作っておけば、細かい指示や前提条件を毎回チャットの冒頭に入力する手間が省ける。プロジェクト専用のアドバイザーや、特定のトーンに合わせた文章推敲ツールとしてそのまま再利用可能だ。
何から作ればいいか迷うユーザー向けに、Google は 5 つのプリセットを用意した。難解なテーマをわかりやすく解説する「学習コーチ」、企画出しに役立つ「ブレインストーマー」、キャリア形成を支援する「キャリアガイド」、推敲や校正を担当する「ライティングエディター」、そして開発を支える「コーディングパートナー」だ。
Gems は 150 以上の国と地域で、デスクトップおよびモバイル向けに順次提供され、主要な言語に対応している。ただし利用できるのは有料プランの契約者のみとなる。
Imagen 3が全面導入、人物生成も慎重に再開へ
もう一つの目玉が画像生成のアップデートだ。新モデル「Imagen 3」が Gemini アプリ群に順次統合され、こちらは無料ユーザーを含む全言語環境へ数日中に開放される。
Imagen 3 はプロンプトへの忠実度と描写の質が大幅に向上しており、朝露が光るバラの花びらといった実写風の質感から、油絵調、クレイアニメ風まで幅広い表現に対応する。生成画像には従来通り電子透かし「SynthID」が埋め込まれる。
注目すべきは、過去のトラブルを受けて停止されていた人物画像の生成が段階的に再開される点だ。まずは英語環境の有料ユーザー限定で、アーリーアクセス版として提供が始まる。
再発防止策として、Google は厳格な制限を課している。特定可能な実在の人物、未成年者の描写、過度に暴力的または性的なシーンの生成はブロックされる。リスクを最小限に抑えつつ、慎重にテストを進める構えだ。
なぜ重要か
機能の仕組み自体は競合の後追いに近いが、Gemini を普段使いする人にとっては作業効率を大きく引き上げる重要な一手だ。毎回長文のプロンプトを打ち直す必要がなくなり、定型業務の自動化が一気に現実味を帯びてくる。すでに有料プランを契約しているなら、すぐに試す価値がある。
業界全体で見れば、OpenAI が切り開いたエージェント市場への本格的な対抗策と言える。OpenAI がストア展開によるエコシステム化を狙ったのに対し、Google は Workspace との連携や多言語対応を前面に出し、実用的なビジネスツールとしての完成度を高める道を選んだ格好だ。
一方、人物生成の再開プロセスからは、Google の強い警戒心が透けて見える。Midjourney などの競合に画像クオリティで追いつく必要があるものの、ブランド毀損のリスクは絶対に避けなければならない。この慎重なガードレール設計が、ユーザー体験と安全性のバランスをどこまで維持できるかが今後の試金石になりそうだ。
情報源 (1)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google