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Figure AI、第3世代人型ロボット「Figure 03」発表 家庭向けに布製外装とワイヤレス充電を導入

公開 拡散指数 45

Figure AIは第3世代の人型ロボット「Figure 03」を発表した。同社のAI「Helix」に合わせて設計され、3グラムの圧力を検知できる指先触覚センサーや足裏での2 kWワイヤレス充電を備える。家庭内の安全を考慮して外装に布素材を採用し、専用施設BotQでの量産体制も整える。

Figure AI、第3世代人型ロボット「Figure 03」発表 家庭向けに布製外装とワイヤレス充電を導入
画像:figure.ai

セーターを着た人型ロボット

人型ロボットといえば、剥き出しの金属フレームと油圧や配線の束を思い浮かべる人が大半でしょう。Figureはその常識を覆そうとしています。

Figureは10月9日、第3世代となる人型ロボット「Figure 03」を正式発表しました。ティザー映像で披露されたのは、ベージュ色のニットを纏った洗練された姿でした。取り外しや洗濯が工具なしで可能な5種類の衣装が用意されており、冷たい実験室の試作品ではなく、生活空間に馴染む家電のような佇まいを見せています。

もちろん外見だけの変更ではありません。Figure 03は前世代のFigure 02と比べて質量を9パーセント削減し、全体サイズも小型化されました。関節の挟み込みリスクがある部位には高密度フォームを配置し、バッテリーは国連勧告のUN38.3認証を取得した多層安全設計を採用。胴体に収められた高密度パックにより最大5時間の連続稼働が可能です。

クリップ1個の重さを感知する指先

Figure 03の最大の見どころは、独自開発の基幹AI「Helix」のために刷新された感覚器官と手先です。

既存の市販触覚センサーは耐久性に乏しかったため、Figureは自社で第1世代触覚センサーを開発しました。指先の感度はわずか3グラム、クリップ1個の重さすら正確に検知できます。これにより、割れやすいグラスや変形しやすいビニール袋を掴む際、滑り落ちる予兆を瞬時に察知して握力を微調整できます。

さらに両手の手のひらには広角・低遅延のカメラが埋め込まれました。棚の奥に手を突っ込んで頭部の主カメラが遮られても、手のひらの視覚で正確な作業を継続できます。充電も完全自動化され、足裏に仕込まれたコイルにより、給電スタンドに乗るだけで2kWのワイヤレス急速充電が行われます。同時に10Gbpsのミリ波通信でその日の行動ログをクラウドへ吸い上げます。

自社工場「BotQ」で年産1万2000台へ

Figure 03のもうひとつの大転換は、生産方式です。

Figure 02まではCNC切削加工を多用した少量生産方式でした。Figure 03では自動車製造に近いダイカスト、射出成形、プレス加工へと全面移行しました。金型への初期投資は膨大ですが、1台あたりの製造原価は劇的に下がります。

この大量生産を受け持つのが、自社専用工場「BotQ」です。初年度の生産能力は年産1万2000台を見込み、今後4年間で累計10万台の生産を目指します。アクチュエータやセンサーなどの基幹モジュールは内製化され、自社製MESでトレーサビリティを徹底します。CEOのBrett Adcock氏によると、先代のFigure 02はすでにBMWのX3製造ラインで5カ月間、毎日10時間稼働しているとのことですが、アクチュエータ速度が2倍になった03は工場でも家庭でもさらに機敏に動きます。

なぜ重要か

私たちは、Figure 03が人型ロボット産業を「研究開発のフェーズ」から「スケールする耐久消費財のフェーズ」へ引き戻した重要な節目だと考えています。

一般ユーザーが自宅ですぐに使える段階ではありませんが、布製カバーによる不気味の谷の緩和、工具不要のメンテ性、足元ワイヤレス充電など、家庭環境で共存するための現実的な解を提示しました。開発者にとっても、3グラム精度の触覚と手のひらカメラがもたらす操作データは、基盤モデルの訓練において極めて貴重な資産になります。

業界全体から見れば、テスラのOptimusや中国勢に対する強烈な牽制です。もはやAIモデルが賢いだけでは勝てず、自前で金型を起こし、内製部品で年間1万台規模のラインを動かせるハードウェアの製造体力が求められる競争に突入しました。

ただし、金型による量産への早期シフトにはリスクも伴います。一度金型を固めてしまうと、関節構造やカメラ配置の設計変更には多額の改修費用がかかります。Figureは現行のハードウェア構成が数年間のAI進化に耐えうると強く賭けた格好ですが、現場での試行錯誤がどこまで設計を裏切らないかが今後の焦点になります。

情報源 (1)

  1. [1]
    figure.ai(新しいタブで開きます)原文figure.ai

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